かっちゃんの幼馴染は。2 (ページ22)

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頭痛と戦いながらなんとかテストを終える。

自分でも気づかないほど体は無理をしていたようで、席を立った瞬間体がグラっと傾く。

やばい…！

勝己「ばっ…か、無理すんなって言っただろうが…」

どうやら勝己が抱き止めてくれたようでいつまで経っても痛さはやってこなかった。

いつもの私ならパニックになるけど今はそこまで頭が回らない。

A「っ勝己…ごめん、大丈夫…」

立ち上がろうと思ったら呼吸が乱れて咳き込んでしまう。

このままだとみんなに迷惑がかかる…

そう思い、保健室へ向かおうとするけど勝己が離してくれない。

勝己「無理すんな…保健室ぐらい運んでやるから」

申し訳ないから…と呟いた言葉は勝己には届かなかったのかそのまま保健室へ連れて行ってくれた。

A「かつ、き…」

意識が朦朧とする中、勝己の口が動く。

でもその言葉は耳に届くことなく、私は意識を手放していた。

* * * * *

目を覚ました時はもう下校時間だった。

まだ少しだるい体を起こすと勝己が座っていた。

A「勝己…」

勝己「無理すんなって言っただろうが…」

いやぁ無理したというか雨のせいなんだけど…

A「ごめんね、迷惑かけちゃったみたいで。ちょっと記憶ないんだけど…」

あはは～と笑うと、はぁ？何も覚えてねぇのかよ…と呆れる勝己

勝己「お前がいきなりぶっ倒れるから保健室まで運んだんだわ」

ぶっ倒れた？

…だんだん思い出してきた！

たしかテスト終わって立った瞬間クラッときて…

その瞬間ぶわっと顔が熱くなる。

勝己「…？どうした、まだ体調悪いのか？」

A「だだだ大丈夫！！」

好きな人から抱き抱えられたことを思い出しただけです。

なんて言えるはずもない。

A「運んでくれてありがと…嬉しかった」

今、言える精一杯の言葉。

勝己「っ…別にお前が運べって言ってたから運んだでやっただけだ、」

優しいんだから…

A「ありがと…」

勝己「っ…ん。」

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「あ、そういえば保健室行く途中勝己なんか言ったよね？」

「…あ？何も言ってねぇわ」

「えぇ…絶対なんか言ってたって」

「んなもん覚えてねぇ…」

“安心しろ…ずっと側にいてやる”

って言ってくれたなんて私は知る由もなかった。