かっちゃんの幼馴染は。2 (ページ14)

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ふと外を見ると空は真っ暗だった。

かなり長い時間ここにいたんだと分かる。

時計を見るととっくに9時を回っていた。

A「あれ、もうこんな時間？じゃあ、私帰るね」

さっきまで本気(マジ)になって勝己とゲームをやっていたらあっという間にこんな時間。

勝己「もうこんな時間か。早ぇな…」

A「だね、ほんとあっという間。今度またやらせてよ～？」

勝己「別にいいけどよ。行くぞ、帰んだろ？」

A「ほら、もう遅いしいいって！いつも送ってもらってるし」

そんなことを言いながら勝己の後ろを歩く。

「Aちゃん、帰るの？泊まっていっていいのに！」

いやぁ、流石に泊まりは…

(小さい頃はよく泊まってたな～)

「帰るなら勝己、送ってきなさいよ～Aちゃん、可愛いんだからこんな夜道歩かしたら危ないでしょ！」

勝己「…だってよ！言われなくても送るところだったわ！」

A「いえ！そんな、大丈夫ですよ！」

また言い合いを始めそうだったから私が折れて送ってもらうことになった。

* * * * *

勝己「ま、てめぇなら夜道で襲われてもどうにかなりそうだけどな～」

A「まぁ、たしかにね。だからいいって言ったのに！」

勝己「冗談だわ、アホか！女が1人で歩いてたらどう考えても危ねぇだろ！」

なんてしょーもないやりとりをしていたら家に着く。

ほんと、走ったら10分もかかんないのに

勝己「じゃあな、明日はちゃんと迎えに来てやるよ」

A「ありがと、また明日ね！」

勝己「…おう」

家に入り、1人になると勝己のお母さんに言われた言葉を思い出す。

“勝己、口を開く時はいつもAちゃんのことなのよ～本当にAちゃんのことが好きなのね。”

(好き、ね…)

ふと、初恋は実らない…なんて言葉が頭に浮かぶ。

そんなの分かってる。あの時、抱き締めてくれたときだって言えたはずだった。

「好き」

たったこの二文字が言えない。

あの時だって…きっと抱き締めたりできるのは幼馴染だから。

私はこの関係を壊したくない。

勝己の隣にいれるならそれでいいってずっと自分に言い聞かせてる。

私は勇気の一歩すらも踏み出せない弱虫で幼馴染っていう立場を利用して勝己の隣に立っていたいだけ。

でも彼女として勝己の隣に立ちたい。なんてときどき思っちゃって

…何もかも矛盾しているのにな

そんなことを考えていると私はいつのまにか眠っていた。