参拾壱。 ページ41
切れ…た。
やっと…勝った…
お父さんが…助けてくれた。
あの言葉を思い出さなかったらきっと今頃私は切り刻まれていた…
A「…はぁ…かはっ…た…じろ…」
呼吸が、上手くできない…!
なんとか炭治郎の元へ手を伸ばそうとするも、視界がぼやける…
早く…早く善逸くんのとこに行かないと…足に力が入らない…
呼吸を整えて、立たないと…
炭治郎も同じなのか、呼吸音が辛そうだ。
そう思った時、ぶわっと身の毛がよだつのを感じる。
累「僕に勝ったと思ったの?可哀想に。哀れな妄想をして幸せだった?」
なん…で声がするの…
私達は確実に首を切ったのに…!
累「僕はね、自分の糸で首を切ったんだよ。お前達に首を切られるより先に。もういい。お前も妹も殺してやる。こんなに腹が立ったのは久しぶりだよ。」
立たないと…炭治郎も立たないんなら私だけでも、動いて!
累「不快だ。本当に不快だ。前に同じくらい腹が立ったけどずっと昔だよ。覚えてないほど。そもそもなんでお前達は燃えてないのかな。いまの力なのか知らないが苛々させてくれてありがとう。何の未練もなくお前達を刻めるよ。」
累「血鬼術____________殺目篭_______」
炭治郎の周りに結界が広がる。
私はなんとか呼吸を整え、立ち上がる。
累「ん?まだ立てるの。お前、さっきヒカリの呼吸使ってたよね?なんで使えるのかな。お前は殺し甲斐があるよ。」
首を…
なんとか一歩を踏み出そうとした時…
冨岡「俺が来るまでよく堪えた。後は任せろ。」
累「次から次に…僕の邪魔ばかりする屑共め!」
累「血鬼術_____核糸輪転_____」
冨岡「全集中__________水の呼吸_______拾壱の型
__________凪」
その瞬間、全ての糸は断たれる。
首を…切ったの…?
今までこんなに手こずってたのに…凄い。
その途端、私の周りは抱え切れないほどの哀しみの匂いで溢れる。
(…これは何?この子の…過去?)
“丈夫な体に産んであげられなくて…ごめんね…”
今にも事切れそうな声…この子のお母さん…?
(…そんな!お母さんは、貴方のことを亡くなる直前まで思っていたのに…)
でももう遅かった。気づいた時にはもう、手遅れだった。
(自ら断ち切った本物の絆の埋め合わせ…それがきっと欲しかったんだろうな…)
(また、あの温もり、本物の絆の、家族の暖かさを感じてほしいな…たとえ両親と同じ場所へ行けなかったとしても…もう一度、あの暖かさを…)
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金糖の少女 - たんじろーと兄妹もの探してたので助かります。トんだ。 (11月25日 22時) (レス) @page1 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
マシュマロもち。(プロフ) - こと小説を読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。続編の方も読んでくださると嬉しいです!!来年も楽しいこと、辛いこといっぱいあると思います。お互い、頑張って乗り越えていきましょう!良いお年をお過ごしください! (2020年12月31日 22時) (レス) id: 6968a06f94 (このIDを非表示/違反報告)
さら - こちらこそいつもありがとうございます!!お話楽しみにしてますね!! (2020年12月29日 7時) (レス) id: 8178d9f7d8 (このIDを非表示/違反報告)
マシュマロもち。(プロフ) - 両方ですね!お好みで、読んでもらう形にします!ありがとうございます!挑戦してみます! (2020年12月29日 0時) (レス) id: 6968a06f94 (このIDを非表示/違反報告)
さら - ありがとうございます♪♪楽しみにしてます!!両方のオチとかは作れたりします!!両方大好きなので!! (2020年12月28日 23時) (レス) id: 8178d9f7d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:板チョコミント。 | 作成日時:2020年12月17日 19時