君の隣にいたい。壱

参拾。 ページ40

A「炭治郎…お願い……」



糸が私の頬をかすめる。手に…力が入らない…

真っ赤に染まった無数の糸が目に映る。

術が使えない…

もう駄目だ…そう思い瞼を閉じかけたその時…

“A、呼吸を知っているか。ヒカリの呼吸だ。辛いことや苦しいことがあった時、ヒカリの呼吸は必ずお前を助けてくれる。きっとA、お前なら…使えるはずだ。どうか忘れず、こころに留めておいてくれ…”

“A…お前は____________”

そう言って幼い私の頭を撫でるお父さんの姿が蘇る。

あの時、お父さんは_______


なんて言ったんだっけ…



炭治郎「ヒノカミ神楽！_____円舞！」

ヒノカミ神楽…

お父さんのヒノカミ神楽だ。

ヒカリの呼吸。あの時、お父さんが教えてくれた…

私に…できるかな。

『A、貴方なら……できるわよ…』

『『『『『お姉ちゃん！』』』』』

そう聞こえた気がした。

(お母…さん…、みんな…)

私は目を開き、白刀を抜く。

お父さん…お母さん…私達をどうか…！

A「ヒカリの呼吸____________」

届け…！断ち切れ！

A「火光(かぎろい)____________」

累(…ヒカリの呼吸だと？そんなバカな…！)

炭治郎(見えた！隙の糸！)

禰豆子「血鬼術__________爆血______！」

糸が燃えた！

(届け！あと少し！ヒカリの呼吸を無理に使った跳ね返りがくる…止まるな！前へ、少しでも前へ進め…！)

首に炭治郎と私の刀が同時に届く。

それと同時に禰豆子の血鬼術で、刀が爆ぜる…

…っ！通った…！

私達は最後の力を振り絞って刀を振り抜く。

(切れて！もっと…力を込めるの…お願い…！切れてっ…)

炭治郎／A「「俺/私たちの絆は、誰にも…引き裂けないっ！」

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