10年後雲雀さんには敵いません。 (ページ34)

今日:50 hit、昨日:5 hit、合計:31,713 hit

きもち9〜主人公side〜ページ34

雲雀さんが人殺し

その言葉が気になって仕方ない。
私の荷物は自宅前に届けてくれて、職場にも連絡してくれているようで、心配することは、その言葉の意味だけだった。

ヘリコプターの中で悶々している私を尻目に、雲雀さんは怖かっただろうと、ずっと背中をさすってくれていた。

こんな優しい人が…
そう思いつつも、先程見た、あの圧倒的強さの雲雀さんは幾千もの戦いをくぐり抜けて来たのだろうと思わざるを得ないものだった。

私の自宅まで、送ってくれた。

「着いたね。」

『はい。今日は助けていただき、ありがとうございました。』

「いや、君が無事でよかったよ。じゃあね。」

そう言って帰ろうとする雲雀さん。

『あの』

ん？と言って振り返ってくれた。

『お茶…くらいどうですか？今からイタリアに帰られるのもまた大変ですし…。』

「……。」

『あ！でも無理にとは言いません。お仕事も忙しいでしょうし…』

「君の方こそいいの？疲れているんじゃない？」

『いえ、私は…あ！でも少しだけ片付けさせてください！すみません！』

そういって急いで部屋に入り、片付けをした。

〜約5分後〜

『すみません、お待たせしました。あ、草壁さんも一緒にどうぞ。』

「いえ、自分は大丈夫です。恭さん、いってらっしゃい。」

誘ったのだが、断られてしまった。

「ありがとう、哲。じゃあ後で。香桃葉、お邪魔するね。」

『はい、どうぞ。』

こうして、あの雲雀さんが、私の家に入ることになった。