10年後雲雀さんには敵いません。 (ページ18)

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変わっていくもの5～主人公side～ページ18

ひとまず落ち着き、私はトイレから出た。

『すみません、急に…』

バツが悪そうに部屋に入ると、雲雀さんは日本酒を飲んでいた。

「あぁ、いいよ。それより、体は？大丈夫なの？」

持っていたおちょこを置き、私の方に目線を向けてくれる。

『？体？？そもそも、なんで私雲雀さんのお家で寝てたんですか？』

雲雀さんはため息をついた。

「君は家に帰る途中、気を失ったんだよ。」

『え…。』

「たまたま僕と哲がいたからよかったものの…。原因は過労による睡眠不足と疲労。」

『…何から何まですみません。』

「本当にね。自分の体調も管理できないなんて社会人失格だよ。」

『……。』

そこまで言わなくても…
そう思っていると、
気持ちが込み上げてきて涙が落ちた。

「…挙げ句の果てには泣くんだ。呆れるね。」

雲雀さんの言うことはもっともだ。
でも、悔しいやら情けないやら、不甲斐ないやらいろんな気持ちがごちゃごちゃしてて、整理できない。

涙だって止めたくても止まらない。

『…です。』

「なに？」

『泣きたくて泣いてるんじゃないです。気持ちが整理できないんです。』

「気持ち？どんな気持ちなの？言ってみなよ。」

『辛いんです。毎日毎日全力で頑張って、頑張って頑張ってるのに、自分が目指すところまで辿り着けない。1年目だからって言われたらそうかもしれないけど、私はもっとやりたいのに、出来なきゃダメなのに。なのに全然出来ないんです…。だから帰るのも遅くなるし、他の先生方には迷惑かけるし…。もう…ヤダ……。』

自分がそんな風に思ってたなんて自分でも気がつかなかった。
話し始めたら止まらなくなった。

私が話終わるまで、雲雀さんはずっと私の方を向いて真剣に話を聞いてくれていた。