ツンデレ兄さん ページ40
SUGA side
「ナムジュナの言ってた通り人形みてぇだな...」
頬を突けば嫌そうに眉根を寄せるし，手を握れば弱々しいがそれに応える。
けど＿＿＿目は開かないし，口は開かない。
ずっと眠ったままの状態だ。
「〜♪」
今年のAの誕生日にプレゼントするつもりの曲。
誕生日はまだまだ先だけど，ふと思いついたメロディーを組み合わせてたらいつの間にか出来てた。
自信はある。
というか自信しかない。
歌いやすいような音域で作ったからきっと喜んでくれるはず。
「A...？」
目尻からつぅっと流れる涙。
コイツよく音楽聴いて泣いたりするけど...
俺の声...聞こえてたりすんのかな。
Aが入院してから1か月たって身体が反応するようになった。
そして身体が反応するようになってからまた1か月。
計2か月Aの声を聞いていないし，笑顔も見ていない。
早く起きろよ。
そろそろジョングガが限界だぞ。
なんて＿＿＿
「俺が会いたいだけだけどさ」
A side
「ナムジュナの言ってた通り人形みてぇだな...」
そう呟いてからツンツンと頬を触り，俺の手を握ったりしてくるのは多分ユンギヒョン。
このヒョン手冷たいんだけど！
止めろ！冷たいっ！
そう思うけど口に出せないからツンツン攻撃は止まない。
ヒョンから見た俺の身体は少しでも拒絶反応...と言うか，動いたりしてんのかな？
「〜♪」
ふと耳に入ってきた優しいメロディー。
これ...ヒョンが作ったのかな？
滑らかで，ふわふわしてて，温かくて...上手く言葉に出来ないけど俺が好きなメロディー。
胸からじわぁって温かくなっていくみたい。
歌が止まり，残念だと思っていたら
「俺が会いたいだけだけどさ」
と，呟く声が聞こえてくる。
このヒョンは誰もいないところでもツンデレなんだなぁ...
なんて思ってたらヒョンの事が凄く可愛く思えて来た。
ARMY達が“ユンギ可愛いー♡”って言ってた意味がやっと，ようやく分かった気がする。
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作者名：まりも
| 作成日時：2021年6月20日 0時
