｛BTS｝彼女はマドンナ、麗容、紅一点-4-

ソクジニとデート ページ45

『え、おかしい？』

JN「いや...久しぶりに見たから。
すごく似合ってる」



授賞式が目前に迫る11月下旬。
ソロ活動も無事終え、伸ばしていた髪をバッサリと切ったことで頭が軽くなる。
メンバー達と同じようなシルバーになるように整えてもらった髪はなんだかふんわりとしていて触り心地が良い。

何故か美容室まで迎えに来てくれたソクジニの車に乗り込めば、宿舎とは反対の方向に車を走らせた。





『どこか寄るの？』

JN「デート行くよ」

『珍しい。
せっかく早く帰れるのにいいの？』

JN「うん。
時間があるから行くんだよ」



“デート”なんて普段使わない言葉使っちゃって恥ずかしいらしいソクジンさん。

ほんのり染まっている耳を触れば“やめて...”と手を取られてしまった。



JN「手冷たい。
暖かくしなきゃ」

『暖かくしてても手は冷たいんですぅ』



死ぬほどやったこのくだりだけどソクジニはお気に入りみたいで、寒い時期になるとよく言ってくる。
稀に私の手が暖かいとそれはそれで“珍しいね”と手を握られる。

そんな様子が子供のようで毎回笑ってしまうことは彼には秘密だ。





『かわいいね、ソクジンちゃん』

JN「Aちゃんもかわいいですよ」



なんて事のない、くだらないような日常の会話。
明日には忘れてるかもしれないと思うと不思議で少し寂しいなと。

人生はそんなことの繰り返しだとは分かっているけれど忘れるのは勿体無い。

カプセルのようなものに入れておければいいのに。

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