-沢山の愛を、ありがとう。 ページ44
NJ「ARMYー！」
この光景を写真に収めることが出来たら良いのに。
ライブでの景色とはまた違う、ドキドキで胸がいっぱいになるこの光景を、これから先も見れるだろうか。
もしこの景色を見る事が出来なくなっても、私達のペンライトが揺れている姿を見れれば良い。
その時まで私は、“防弾少年団”でいれるだろうか。
『...え、』
その場所に視線がいったのはたまたまだった。
揺れるペンライトの中に、一際目立つ動きをしているペンライトの光。
パーティーで使うようなLEDライトでデコられた私のうちわ。
肉眼でギリギリ見れるような位置に、私の家族は居た。
【あら、スカウトされたの？
Aはアッパに似て顔立ちが
【お前、またアイドル目指すつもり？
別にええけど身体にゃあ気をつけろよ。
時にゃあオッパに連絡しても...おい、聞けよ】
【デビューが決まったのか！？
そうか、良かった...は？メンバーは男？
こら待ちんさいオモニにゃあ言うたのk】
【デビューおめでとう！
男？あぁ、アッパから聞いたわよ。
別にAがええならええわよー】
【お"め"でどう"！！！！！
は、
アイツらにもおめでとうって言うといて】
【1位おめでとう。
今度帰って来たらお祝いしようね】
【喜んで近所の人にも話して回っちょるんだ。
近いうちに帰って来んさい】
オンマも、アッパも、勿論オッパも。
誰よりも私を支えてくれた。
この不安定な、先が見えない夢を応援してくれた。
辛い時には甘やかしてくれた。
NJ「ARMYs all over the world，Let’s fly with our beautiful wings in 2017 as well.
BTS loves ARMYs as always！」
ユンギヤが口元を覆うのが見えたからか、それとも家族との会話を思い出したからか。
アニメのように、ブワッと涙が溢れ出て来て頬を濡らしていく。
『ありがとう......ございました』
私の声は届かないだろうけど。
膝をついて頭を下げた私を見たら、この想いは届いてくれるかな。
メンバー達に頭を撫でられ、抱きしめられ、ギュッとくっ付きながら舞台裏に戻る前に、もう一度客席に視線を移せば。
私と同じように涙で顔を濡らした3人が大きく手を振っていた。
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作者名：まりも
| 作成日時：2023年3月2日 23時
