あなたの番です 6 (ページ7)

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第157話ページ7

私は病院から出た後、全速力してホテルへ向かった。ちゃんとした運動なんて高校で終わっていたからか、100m走った程度で息切れした。なんて情けない。これからは運動もしようと心に決めた。

　◇

「あ！対馬さん！」

「ッ！、南、さん！」

　そろそろホテルに着くかという所で南さんに遭遇した。南さんは焦ってはいるものの、疲れてはいなさそうだった。

「お待、たせ、しました、、、！」

「悪いね。あれっきり君には、もう関わらせないようにしてたのに。結局、こうなってしまった」

「そこは全然構いません。早速本題に入りましょう。何でこんな事になったんですか？」

　◇

「そう言う事ですか、、、。なるほど、、、それは急がないといけませんね」

　南さんから事の成り行きを聞いた。話している間、南さんは顔を青くしていた。かなりまずい状況と来た。そしたらここで足踏みしている時間も惜しいな。

「じゃあ、2人と犯人がいるであろう部屋に向かいましょうか」

「そうしよう」

　私達はホテルに入り、エレベーターを待つのも惜しい為、階段を使って707号室まで行く。707号室付近に差し掛かるとどこからか男性の怒鳴り声が聞こえた。声が聞こえた瞬間、一瞬に走っていた南さんが迷いもなく部屋のドアをノックした。

「手塚さん？二階堂君？」

　南さんが2人の名前を呼んだ直後、中から南さんの名前が聞こえた。ドア越しで分かりにくいがこれは二階堂さんだろう。返事が聞き取れなかったのだろうか、南さんは「いるの？」と問いかけた。そしたら今度は絶叫に近いが、南さんの名前を呼ぶ声が聞こえた。その声を聞き南さんは顔色を変えて「いるんでしょ！？」と叫んだ。その間、私は翔太さんに電話を掛ける。話の通りやはり繋がらない。二階堂さんにも掛ける。そしたら電話を切られた。

「切られた、、、」

「返事して？」

　横ではまだ南さんがドアをノックしていた。そしたら、ホテルマンが来て腕を掴まれていた。

「すいません、他のお客様のご迷惑に」

「いや、中で大変な事が起きてるかもしれなくて」

　しかし、南さんの抵抗はむなしくホテルマンと警備員に腕を抱えられながら連れて行かれてしまった。

「ほら、君も用がないなら帰りなさい」

　私も腕を抱えられなかったが追い出されてしまった。

　◇

「どうします？」

　ホテルから追い出された私は南さんに聞く。ホテルに入れなくなってしまえばやれる事など無くなってしまう。せいぜい警察に言うくらいだが、証拠がない為動かすのは難しいだろう。

「、、、アパートに戻ろう、、、」