あなたの番です 6 (ページ12)

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第162話ページ12

結局2人は缶コーヒーを貰って帰っていった。若い方は貰うなりさっさと帰っていった。終始良い印象が無かったな。

「これで一息付けますね。コーヒー飲みますか？」

　手を上に上げ、伸びている将斗さんに声を掛ける。将斗さんは伸びるのをやめ、こちらを向き一瞬考えた。そして3秒ほどで結論を出した。

「そうですね、、、では、コーヒーをお願いします」

「じゃあ、入れてきますね。ゆっくり寛いでて下さい」

「はい」

　キッチンに入り、チラリと将斗さんを見たがずっと立っていた。これから、ここが将斗さんの家でもあるのに、、、
　◇

「おまたせしました。ミルクとかはお好みでどうぞ」

「ありがとうございます」

　将斗さんは何も入れずに飲んだ。先に入れておかなくて良かった。私もブラックの気分だったので何も入れずに飲んだ。

「これから何しますか？」

　私はコーヒーを飲みながら将斗さんに質問する。将斗さんはこの質問にはすぐに答えた。

「挨拶周りに行こうと思います」

「嗚呼、そうですね。、、、私も付き添いましょうか？その方が円滑に進むと思うので」

　特に石崎さんは1ヶ月経ったとは言え、聴く耳持つかわからないし。また入居拒否で騒がれたらたまったもんじゃない。

「では、お願いします」

　そして私達の挨拶周りが始まった。既に住んでる私がするのも変な気がするが。

　◇

「、、、このマンション、、、ほんと変な人が多いですね、、、」

　挨拶周りを終え、部屋に付くなりこれである。私でさえ疲れたのだから相当な物だろう。お疲れ様です。ついでに、1番時間がかかったのは予想通り石崎さんだった。また入居拒否されてしまった。

「悪い人では無いんですけどね、、、。石崎さんとか」

「、、、悪い人に見えなかったのに犯人だったんですよ、、、」

「、、、まぁ、あの子は、、、」

　黒島の事を言っているのだろう。私も友人やっていたのだから見る目がなかったのだろう。少し気不味くなり、話題を変える。

「あ、それより。今日、通常の住民会があるのでそこで今出来なかった人達にも挨拶させてもらいましょう。管理人はそこまでしっかりした人では無いのですんなりやらせてくれると思いますよ」

「住民会、ですか、、、。嗚呼、ここはそういう物があるんでしたね、、、。そうですね、そうさせてもらいましょう」

「じゃあ早速管理人に会いにいきましょう」

　◇

「え？挨拶？嗚呼、良いよ。僕が連れてくから対馬さんは先に参加してて下さい」

「分かりました」

　本当にすんなり許可してくれた。軽い人だな