【10】怪我と動機、幻影旅団 ページ10
そして走り始めておよそ3時間が過ぎた頃、ずっと並んで走っていたクラピカさんが、気遣うような表情で尋ねてきた。
｢A、君のその走り方は……｣
クラピカさんが言っているのは、私の怪我をしているような足の使い方のことだろう。
そういえば並んで走り始めた頃から私の足を心配そうに見ていたな、と思い返す。
｢やっぱり気になる？｣
そう訊くとクラピカさんはすまなさそうな顔をした。
｢昔事故で怪我をしちゃって……もう完治してるはずなんだけどね、歩き方は治らないの。お医者さんには心因的なことが原因だって言われてる｣
｢……そうか。無礼なことを聞いて申し訳ない｣
｢気にしないで。それよりクラピカさんはどうしてハンターを目指してるの？｣
話題を変えようと思った私は逆に尋ねてみる。
だけどその瞬間、クラピカさんは何かを思案するように黙り込んでしまった。
｢……もしかして、訊かれたくなかった？嫌なら答えなくて――｣
触れられたく無いものに触れられたら誰だって不快だ。
私だってハンターを志望した理由を訊かれたら少し困るのに、どうしてこの話題を選択してしまったんだろう。
後悔と申し訳なさから続けようとした言葉は途中で遮られた。
｢いや。……私は、クルタ族の生き残りだ｣
告げられた言葉にはっとする
｢クルタ族……ってもしかして幻影旅団……！｣
数年前、私は幻影旅団について調べられることはなんでも調べていた。もちろん旅団の起こした事件にも全て目を通している。
その中でもクルタ族虐殺の事件は特に惨いものだったし、私は事件の残忍性を高めた緋の目にも関心を持ったからよく覚えていた。
｢っ、そうだ。私は幻影旅団を捕えるためにハンターを目指している｣
皆殺しにされた少数民族の生き残り……。
クラピカさんがもし私と同い年だとしたら、事件の時はあの時の私と同じ、12歳位の子供だったはず。
｢私こそ無神経なことを聞いちゃったね……。ごめんなさい｣
｢……いいんだ。君になら話して良いと思ったんだ｣
｢どうして……｣
私がそう呟くのと同時に、後方から声が聞こえた。
｢絶対ハンターになったるんじゃー！！くそったらァ〜！！｣
この声は……
｢レオリオさん！？｣
振り向くと必死の形相のレオリオさんがこちらに向かって来ていて、そのままの勢いで私達の前に躍り出た。
｢レオリオ……？｣
何が起きたのかは分からないけど全力で走るレオリオさんの姿はちょっとかっこいいな、と思った。
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裕佐(プロフ) - にあみるまる。さん» こんばんは、コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです〜( ; ; )ボード返信したので良ければ仲良くしてください！ (7月8日 23時) (
レス) id: 31030c7bbc (このIDを非表示/違反報告)
にあみるまる。(プロフ) - こんにちは、素敵な作品ですね。無理せずに頑張ってください、あの会話とかしたいなぁと思っていてもしよければボードでお話したいです、お返事お待ちしています。 (7月8日 21時) (レス) id: 2b8d2ab93c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕佐 | 作成日時：2023年6月4日 15時
