【9】少年とスケボー、お名前は ページ9
走り始めて数分。
ローラーを転がすような音と共に、誰かが私達を追い抜いて行った。
驚いて目を向けた先には、スケボーに乗った少年。
思わずといったようにレオリオさんが声を張り上げる。
｢おいガキ、汚ねーぞ！そりゃ反則じゃねーかオイ！｣
｢何で？｣
……この声、さっきの毒が効かない男の子だ。
綺麗な顔に少し背の高い健康的な身体、知らなかったらこの子が毒に耐性がつくような訓練をしているなんて考えないだろう。
｢何でって、おま……こりゃ持久力のテストなんだぞ！｣
｢違うよ。試験官はついて来いって言っただけだもんね｣
｢ゴン！てめ、どっちの味方だ！？｣
ざっくばらんと言うゴンくんに、ヒートアップするレオリオさん。
そこに更にクラピカさんが追撃をする。
｢どなるな体力を消耗するぞ。何よりまずうるさい、テストは原則として持ち込み自由なのだよ！｣
｢ほらね、それにそのオネーサンもでっかい盾持ってるじゃん｣
言いながらこちらを向いた男の子と視線が合った。
不思議な印象の目だなと思うのと同時に、先程の心配はまだ大丈夫そうで安心する。
｢あれはスケボーと違って逆に負荷になってるだろ！｣
｢言われてみると……Aはよくそんな大きな物を背負ったまま走れるな｣
感心したように言うクラピカさんに、少しくすぐったい気持ちになる。
｢これ、見た目の割に重くないんだよ。それに小さい時から使ってるから……もう身体の一部みたいなものなの｣
私達が話している間ゴンくんと話していた男の子は、気付くとスケボーから降りていた。
｢オレ、キルア｣
｢オレはゴン！｣
あの子キルアくんって言うんだ。
ゴンくんとタイプは違いそうだけど、歳が近い子同士だし仲良くなれそうで微笑ましい。
｢オッサンの名前は？｣
キルアくんが再びこちらを向く。
オッサンってレオリオさんのこと？顔は大人っぽくてもそんな歳じゃないと思うんだけど。
｢オッサ……これでもお前らと同じ10代なんだぞオレはよ！！｣
｢ウソォ！？｣
案の定声を荒らげて主張したレオリオさんに、今度はゴンくんが驚いて大きな声を上げる。
｢あー！ゴンまで……！！ひっでー、もォ絶好な！！｣
三人のやり取りは可愛い。
でも、ずっと近くで聞いているのは少し疲れてしまいそう。
そう思って走るスピードを早めると、クラピカさんも同じタイミングで前に出てきた。
顔をしかめていたからもしかしたら私と似たようなことを考えたのかもしれない。
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裕佐(プロフ) - にあみるまる。さん» こんばんは、コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです〜( ; ; )ボード返信したので良ければ仲良くしてください！ (7月8日 23時) (
レス) id: 31030c7bbc (このIDを非表示/違反報告)
にあみるまる。(プロフ) - こんにちは、素敵な作品ですね。無理せずに頑張ってください、あの会話とかしたいなぁと思っていてもしよければボードでお話したいです、お返事お待ちしています。 (7月8日 21時) (レス) id: 2b8d2ab93c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕佐 | 作成日時：2023年6月4日 15時
