検索窓
今日:2 hit、昨日:70 hit、合計:37,724 hit

【6】ルーキーとベテラン、切断ピエロ ページ6

声のした方を見上げると、そこにはニコニコとこちらを見つめる丸っこい顔の中年の男の人が居た。

「よっ、オレはトンパ」

トンパと名乗ったおじさんは名乗りながら降りてくると、よろしくとゴンくんと握手をする。

その間にさっき私にプレートをくれた人が、今度は三人に同じものを渡していた。

403、404、405、そして私が402ということは、確かにこれは来た順に配られるものなんだろう。

「新顔だね君達」

「わかるの?」

ゴンくんに聞かれたトンパさんは得意げに語る。
なんでも10歳から35回もテストを受け続けている試験のベテランらしい。

でもそれって、

「35回試験に落ちてるってことになるよね……」

「いばれることじゃねーよな」

「確かに」

近くに居た二人も同じことを思ったみたいだった。

そういえば、君達ってまとめられたってことはこの三人も私と同じ初受験者(ルーキー)なんだ。

そう考えながらトンパさんによる常連受験者の紹介を聞いていると、突然凄まじい悲鳴が響き渡った。

会場の全員の視線が、悲鳴のした方に集まる。

「アーラ不思議♡腕が無くなっちゃった♤」

そこにはスートがあしらわれた特徴的な服を着たピエロメイクの男と、切断された自身の両腕を見つめて叫び声を上げる男が居た。

「人にぶつかったらあやまらなくちゃ♧」

つまり、腕が無くなったあの人はピエロ男にぶつかってその怒りを買ってしまったんだろう。

私は先程の三人のと出会いを思い出す。

「……ゴンくん、私達お互いぶつかったのがあの人じゃなくて良かったね……」

ピエロ男に目線を向けながら言うと、ゴンくんも無言で頷いた。

「ちっ……アブない奴が今年も来やがった」

険しい面持ちのトンパさんが再び解説を始める。

44番奇術師ヒソカ。
去年試験官を半殺しにて失格となり、20人の受験生を再起不能に陥れた男。
言われた通り絶対に近寄らない方が良い――というよりも、言われなくても近寄りたくないタイプの人間だ。

【7】こだわりとジュース、毒耐性→←【5】君と抱擁、他人の空似



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (47 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
119人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

裕佐(プロフ) - にあみるまる。さん» こんばんは、コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです〜( ; ; )ボード返信したので良ければ仲良くしてください! (7月8日 23時) (レス) id: 31030c7bbc (このIDを非表示/違反報告)
にあみるまる。(プロフ) - こんにちは、素敵な作品ですね。無理せずに頑張ってください、あの会話とかしたいなぁと思っていてもしよければボードでお話したいです、お返事お待ちしています。 (7月8日 21時) (レス) id: 2b8d2ab93c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:裕佐 | 作成日時:2023年6月4日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。