【47】決着と条件、死にそこない ページ47
その言葉を聞いて思わず声が漏れていた。
｢……クラピカは強いね｣
｢そうか……？｣
下を向いていた顔が腑に落ちないといった様子でこちらを向く。
｢うん、だって――｣
｢よし！！次はオレの番だぜ！｣
話を遮ったのはレオリオさんの声だった。
そうだ、まだ勝負は終わっていない。私は慌てて気持ちを切り替えた。
｢さっさとそいつを片付けて次のヤローを出しな｣
｢うふふ、それは出来ないわ｣
答えた試験管の声は女のものだった。
｢まだ、決着がついてないわよ｣
｢決着がついてない？一体どーゆーことだ！？｣
思わず叫んだレオリオさんに、相手は先程の勝負のまま横たわる男の方に向かうと、その身体を調べた。
｢……気絶しているだけだ｣
｢勝負はデスマッチ！一方が負けを宣言するか死ぬかまで戦うと決めたはず。彼はまだ生きてるし負けも宣言していない｣
確かにその通りだ。相手の男は明らかに降参しようとしていたけど……
｢ちっ屁理屈抜かしやがって。おい、クラピカあの死に損ないに引導を渡してこいよ｣
｢断る｣
レオリオさんの提案を、クラピカは間髪入れずに拒否した。
｢なっ……｣
｢勝負はもうついていた。あの時すでに戦意を失っていた相手を、私は殴ってしまった。これ以上敗者にムチを打つようなマネはごめんだ｣
そう語るクラピカの表情が硬い。
｢クラピカ……｣
先程から落ち込んでいるのは、きっとそれが一番大きい要因なんだろう。
私はさっき強いと言ったけど、クラピカからしたらその言葉は不本意だったのかもしれない。
｢ざけんなよ！じゃ、一体どうする気だ！｣
｢彼に任せる。彼が目覚めれば自ずと答えは出るはず。私からなにかする気はない！｣
｢……っ｣
腹の虫がおさまらない様子のレオリオさんの代わりに、クラピカに声を掛けたのはキルアくんだった。
｢ねぇ、あんたがいやならオレが殺ってやるよ。人殺したことないんでしょ？怖いの？｣
こういう言い方するってことはキルアくんは人を殺したことがあるんだな……
毒の訓練のことといい、やっぱりキルアくんもゴンくんとはまた違った意味で不思議な子だと思う。
｢……殺しを怖い怖くないで考えたことはない。それにこれは一対一の勝負、手出しは無用だ｣
｢あ、ナルホドね｣
クラピカの答えにつまらなそうな顔をしたキルアくんは、今度は子供を叱る母親のように腰に手を当て人差し指を立てると続けた。
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裕佐(プロフ) - にあみるまる。さん» こんばんは、コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです〜( ; ; )ボード返信したので良ければ仲良くしてください！ (7月8日 23時) (
レス) id: 31030c7bbc (このIDを非表示/違反報告)
にあみるまる。(プロフ) - こんにちは、素敵な作品ですね。無理せずに頑張ってください、あの会話とかしたいなぁと思っていてもしよければボードでお話したいです、お返事お待ちしています。 (7月8日 21時) (レス) id: 2b8d2ab93c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕佐 | 作成日時：2023年6月4日 15時
