【43】風とローソク、二回戦 ページ43
｢同時にローソクに火をともし、先に火が消えた方の負け。どう？｣
｢うん！わかりやすい。その勝負でいいよ！｣
ローソクを取り出した時点で薄々察してはいたけど、やっぱりそう来たか。快諾したゴンくんに、試験官は続けた。
｢OK。それじゃ、どっちのローソクがいいか決めてくれ｣
その言葉と共に試験官は根元の方を握っていたローソクの全貌を私達に見せてきた。
……明らかに左右で長さに差がある。
｢長いローソクなら○を、短い方なら✕を押すこと。多数決で決めてもらおう｣
普通なら長い方を迷いなく選ぶはず。
だけど、今回はそう単純にはいかない。
｢長い方にはきっと仕掛けがあるに違いねーぜ！｣
｢確かにそう考えるのが普通だ。だが、その裏をかいて短い方に仕掛けがあるかも｣
｢そもそも、実はどっちを選んでも仕掛けがある可能性だってあるしね｣
｢しかしそんなこと言ってたら……｣
｢そう、きりがない。不自由な二択ってやつだ｣
つまり、この二択を多数決で決めさせることで時間を稼いで、その際の仲間割れまで狙っているということだろう。
｢ゆっくり決めてもらっていいよ。ボク達の方はたっぷり時間があるからね｣
｢……くそ……どっちにする！？｣
この状況でどちらのローソクに仕掛けがあるかなんて絶対に分からない。私達が時間をかけて何を言ってもどうせ無駄だ。
｢ゴン！お前が決めるんだ！｣
少しの沈黙を破ったのはクラピカだった。
｢お前の決定に私達が従う。いい方を選べ。我々があれこれ悩むより、ゴンの野生のカンに掛けよう｣
たしかにそれが最適案に思える。
ゴンくんの決定ならきっと私達に異論は無いし、何より実際に勝負をするのはゴンくんなんだから。
｢オレが決めていいの？わかった！それじゃ長い方ね｣
即答だった。
｢長いローソクでいいんだね？｣
｢だって長い方が長時間火が消えないに決まってるじゃん｣
自信満々にそう言うゴンくん。
何も考えずに選んだんだと思うけど、不自由な二択の心理的ダメージの話を踏まえると、罠や仕掛けについて考えるよりもその方が良いのかもしれない。
｢まぁしかたない｣
｢ゴンくんの決定に従うって決めたもんね｣
｢どうせ考えてもどっちが罠かなんてわからねーしな｣
中央のモニターに○5 ✕0と表示された。
｢OK。君が長い方、ぼくが短い方。それじゃ同時に火をつけよう｣
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裕佐(プロフ) - にあみるまる。さん» こんばんは、コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです〜( ; ; )ボード返信したので良ければ仲良くしてください！ (7月8日 23時) (
レス) id: 31030c7bbc (このIDを非表示/違反報告)
にあみるまる。(プロフ) - こんにちは、素敵な作品ですね。無理せずに頑張ってください、あの会話とかしたいなぁと思っていてもしよければボードでお話したいです、お返事お待ちしています。 (7月8日 21時) (レス) id: 2b8d2ab93c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕佐 | 作成日時：2023年6月4日 15時
