【42】心配と一敗、インターバル ページ42
相手側の待機場の上に設置されているモニターが1という表示に変わった。
「あと二勝」
「我々があと二勝すれば、お前達の負けだ。先には進めずひき返すことも出来ない。時間切れまでここで立ち尽くすだけだ」
そんなこと、言われなくても分かってる。
あと四試合で三勝。言葉だけだと厳しい条件に思えるけど、私は四人のことを信じてる。
再び橋を渡って元の場所に戻るとキルアくんが話しかけてきた。
「オネーサン、さっきの勝負すぐに降参して大正解だったな。もし戦ってたらまず最初にのどつぶされて『まいった』さえ言えない状態にされてたぜ」
「後はあいつの好みによるけど、死なない程度に拷問されてたよ。残り時間ずーっと」
先にその言葉に反応したのはレオリオさんだった。
「オメーはなんでそういうことをわざわざ言うんだよ!?」
「安心してレオリオさん。もしそうなってたとしたら、舌を噛みちぎってでも勝負を終わらせてたから。みんなの足は引っ張れないしね」
「A、それを聞いて安心するのは難しいのだが……」
胸を張って言ったのだけど、クラピカには顔をしかめられてしまった。
「……オネーサンも変わってるな」
話しているうちに次の試験官の準備ができたみたいだ。
相手側には先程とは違う、少し暗い雰囲気の長髪の男の試験官――囚人が立っていた。
「まあいいや。さて、次は誰が行くの?」
「オレが行くよ!」
勢いよく答えたゴンくんに、キルア君が心配そうに尋ねた。
「ホントに大丈夫か?」
「うん!」
「いい度胸してんなーお前……オレの話聞いてたらビビるぞ、フツーは」
「だって次の人そんなに悪そうじゃないしさ」
「まーな」
「それでも犯罪者なんだけどね」
「それでも犯罪者なんだがな」
年下二人の会話に思わず突っ込むとクラピカと被ってしまう。
キルアくんはそんな私達を他所に囚人をじっと見つめると言った。
「うん。安心しろ肉体派じゃねーや、あいつは」
「さてごらんのように、ぼくは体力にあまり自信が無い。単純な殴り合いやとんだり走ったりは苦手なんだけどな」
橋を渡りきったゴンくんに、試験官が言う。
「オレはそっちの方がいいなー。あんまり考えたりするの得意じゃないから」
「やっぱり?そんな二人のために簡単なゲームを考えてたよ」
その言葉と共に取り出されたのは、二本のローソクだった。
119人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
裕佐(プロフ) - にあみるまる。さん» こんばんは、コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです〜( ; ; )ボード返信したので良ければ仲良くしてください! (7月8日 23時) (レス) id: 31030c7bbc (このIDを非表示/違反報告)
にあみるまる。(プロフ) - こんにちは、素敵な作品ですね。無理せずに頑張ってください、あの会話とかしたいなぁと思っていてもしよければボードでお話したいです、お返事お待ちしています。 (7月8日 21時) (レス) id: 2b8d2ab93c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:裕佐 | 作成日時:2023年6月4日 15時