【39】勝負と違和感、観察眼 ページ39
「ルールは極めて単純明快、戦い方は自由!引き分けはなし!片方が負けを認めた場合において残された片方を勝利者とする!!」
「それではこの勝負を受けるか否か!採決されよ!受けるなら〇受けぬなら✕を押されよ!」
もちろん私達は全員〇を押した。
「どうだ、満場一致だぜ!!」
「よかろう、こちらの一番手はオレだ!さあそちらも選ばれよ!」
「誰が行く?」
試験官の言葉を受けてキルアくんが私達に聞く。
「オレが行くよ!」
「ここは私が」
「オレが行くぜ」
「「「……」」」
「ここは平等にじゃんけんで決めようぜ」
「いいだろう。ではいくぞ――」
「待ってクラピカ!」
少し考え込んでいる間に勝負が進みそうになっていて、私は慌てて声を掛けた。
「レゼルもじゃんけんする?」
「ううん、途中で止めちゃってごめんね。じゃんけんじゃなくて、この勝負についてちょっと気になってることがあって……」
「気になってること?」
聞き返すゴンくんを筆頭に四人の視線が私に集まる。
「うん。試験官が三勝以上って言ったってことは、先に三回勝てたとしてもそこで勝負が終わる訳じゃなくて、試合は五回全てしないといけないってことだよね?」
本題に入る前に前提を確認すると、疑問の声が飛んできた。
「おいおいそれがどうしたんだ?とっとと三勝すればそれでこっちの勝ちなんだからそんな違いどうだっていいじゃねーか」
「いや、待ってくれレオリオ。確かに少し引っかかるな……レゼル、何か気付いたことがあるのか?」
「うん。確信って訳じゃないんだけど……」
「言ってみてくれ」
「もし私達が先に三勝したら、残りの勝負をしても結果には影響がない。だとしたらわざわざ全ての勝負をさせる目的は? "多数決だから"以外にも理由があるような気がして……」
クラピカに促されて僅かに覚えた違和感について話す。
「言われてみりゃそうだな」
「それにあの人達、みんな拘束されてるよね?手錠が外された時も、やっと解放されたって言ってた。多分なんだけど……あの試験官達、囚人なんじゃないかな」
「……なるほどな」
「キルア、何か分かったの?」
反対側にいる試験官をじっと見つめて呟いたキルアくんにゴンくんが尋ねた。
「あのボウズ頭、おそらく元軍人か傭兵だよ。あの感じなら超長期刑囚でもおかしくないと思うね」
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裕佐(プロフ) - にあみるまる。さん» こんばんは、コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです〜( ; ; )ボード返信したので良ければ仲良くしてください! (7月8日 23時) (レス) id: 31030c7bbc (このIDを非表示/違反報告)
にあみるまる。(プロフ) - こんにちは、素敵な作品ですね。無理せずに頑張ってください、あの会話とかしたいなぁと思っていてもしよければボードでお話したいです、お返事お待ちしています。 (7月8日 21時) (レス) id: 2b8d2ab93c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:裕佐 | 作成日時:2023年6月4日 15時