【34】塔と脱出、三次試験 ページ34
『皆様、大変お待たせいたしました。目的地に到着です』
私達が目を覚ましたのとほぼ同時に、飛行船内にアナウンスが響いた。
時計を見ると8時はとっくに過ぎている。
もしかしたら、なにか不測の事態でもあって遅れたのかもしれない。
雲に届きそうな程高くそびえ立つ塔。その頂上に私達は降ろされた。
だけど、何も無いし誰も居ないこんなところで、一体どんな試験をするんだろう。
落とし合いをして残った人が合格……みたいな試験だったら嫌だな、なんて考えていると進行係さんが説明を始めた。
｢ここはトリックタワーと呼ばれる塔のてっぺんです。ここが三次試験のスタート地点になります｣
｢さて試験内容ですが、試験官の伝言です｣
生きて下まで降りてくること、制限時間は72時間。
それが伝えられた三次試験の内容だった。
｢側面は窓ひとつないただの壁か｣
｢ここから降りるのは自死行為だな｣
端の方にいた人の言葉に私も近寄って外壁を見下ろしてみる。確かにこの壁を降りようとしても、落下死するのがオチだろう。
そういえば、よく見たらこの人達もトンパが言ってた常連の人達だ。番号197,198,199……確かアモリ三兄弟とか言ってたはず。
とにかく他に降りる手段を考えようと思った所で、一人の男が塔の側面へと降りていった。
｢このくらいのとっかかりがあれば、一流のロッククライマーなら難なくクリア出来るぜ｣
そう言った彼はスイスイと壁を伝って下へ降りていく。
｢うわすげ〜｣
｢もうあんなに降りてる｣
聞こえた声の方を向くと、そこにいたのは仲良し少年コンビだった。
｢ゴンくん！キルアくん！｣
｢A！｣
駆け寄ってきてくれるゴンくんに笑みが零れる。
｢二人とも昨日はちゃんと休めた？｣
｢それが……オレたち昨日ネテロさんとゲームしてたんだよね｣
｢そ、そうなんだ……？｣
あのネテロ会長とゲームって、ゴンくん達は一体何をしてたんだろう……
｢あ……｣
困惑する私を他所に、突然なにかに気付いたようにゴンくんが呟いた。
｢ん？｣
｢どうしたの？｣
｢あれ｣
ゴンくんが指した先をよく見ると、遠くから怪鳥の群れ飛んで来ていた。
あの群れが向かってる先ってさっきの――
怪鳥の目的を察した数秒後、トリックタワーに大きな断末魔が響き渡った。
｢……やっぱり、隠し扉か何かを探した方が良さそうだね｣
一流のロッククライマーの悲惨な末路を目にした私達は、素直に塔の上を探索をすることにした。
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裕佐(プロフ) - にあみるまる。さん» こんばんは、コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです〜( ; ; )ボード返信したので良ければ仲良くしてください！ (7月8日 23時) (
レス) id: 31030c7bbc (このIDを非表示/違反報告)
にあみるまる。(プロフ) - こんにちは、素敵な作品ですね。無理せずに頑張ってください、あの会話とかしたいなぁと思っていてもしよければボードでお話したいです、お返事お待ちしています。 (7月8日 21時) (レス) id: 2b8d2ab93c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕佐 | 作成日時：2023年6月4日 15時
