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【32】夜と飛行船、自由時間 ページ32

二次試験が終わったその日の夜、飛行船の中。
私達受験生は会長に呼び出しを受け、一箇所に集められた。

この場にいる受験生の数は43人。404人が参加した一次試験から約10分の1に減っている計算になる。

「諸君にあらためてあいさつしとこうかの。わしが今回のハンター試験審査委員会代表責任者のネテロである」

「本来ならば最終試験で登場する予定であったが、いったんこうして現場に来てみると……」

「なんともいえぬ緊張感が伝わってきていいもんじゃ。せっかくだからこのまま同行させてもらうことにする」

会長は辺りを見渡すと、愉快そうに言った。

「次の目的地へは明日朝8時到着予定です。こちらから連絡するまで各自、自由に時間をお使いください」

最初にプレートをくれた進行係の人の言葉に時計を確認すると、予定時間まで12時間位はありそうだった。


「ゴン!!飛行船の中探検しようぜ!」

「うん!」

解散がかかった瞬間に元気に飛び出していったのはゴンくんとキルアくん。

一次試験開始から今まで散々動き回ったのにそんな元気があるなんて子供の体力が羨ましい。

「元気な奴ら……オレはとにかくぐっすり寝てーぜ」

「私もだ、おそろしく長い1日だった」

「私も……もう眠くて気絶しちゃいそう」

生憎ゴンくん達ほどの体力が無い私達はもうぐったりだった。

「……しかし1つ気になるのだが……」

「ん?」

「どうしたの?クラピカ」

「試験は一体、あといくつあるんだろう」

その疑問に目が少し醒めた。

「あ、たしかに」

「そういや聞かされてねーな」


「その年によって違うよ」

突然会話に参加してきた声に振り向くと、そこ居たのはあのトンパだった。
印象の良くない人の登場に気分が下がる。

「試験の数は審査委員会がその年の試験官と試験内容を考慮して加減する。だが平均して5つか6つくらいだ」

トンパ自身に対する信頼はともかく、この情報は正しいと思って良さそう。

「あと3つか4つくらいってわけだ」

二次まででもここまで疲れたのに、その倍以上試験が残ってるとなると……

「なおのこと今は休んでおいた方がいいな」

「何をするにも体力は大事だもんね」

「だが気をつけた方がいい」

結論を出した私達に、トンパはわざとらしく難しい顔をして続けた。碌なことを言わない予感。

本当に気をつけるべきなのはそれを言っている本人なんじゃないんだろうか。

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裕佐(プロフ) - にあみるまる。さん» こんばんは、コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです〜( ; ; )ボード返信したので良ければ仲良くしてください! (7月8日 23時) (レス) id: 31030c7bbc (このIDを非表示/違反報告)
にあみるまる。(プロフ) - こんにちは、素敵な作品ですね。無理せずに頑張ってください、あの会話とかしたいなぁと思っていてもしよければボードでお話したいです、お返事お待ちしています。 (7月8日 21時) (レス) id: 2b8d2ab93c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:裕佐 | 作成日時:2023年6月4日 15時

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