【4】到着と衝突、男の子 ページ4
三切れ目を口にした所で部屋の動きがゆっくりになり、完全に止まるとチンという軽快な音が鳴った。
食べきれなかったステーキに謝り、部屋を出る支度をして扉を前にすると、突然緊張が襲ってくる。
地下100階、ここからが本当のハンター試験だ。
深く呼吸をしたところでゆっくりと扉が開く。
完全に視界が開けるとそこには沢山の、それも普通とは明らかに雰囲気が違う人達がひしめき合っていた。
一歩踏み出した瞬間、近くに居た人達が一斉にこちらを向く。そして私の顔を一瞥するとすぐに視線を逸らし、またそれぞれの世界に戻っていった。
なんだか品定めをされたようで少し落ち着かない。
そしてふと気付く。他の人が胸に着けている番号の書かれたプレートのようなもの。
全員あるように見えるから試験に必要な物だと思うけど、どこで手に入れればいいんだろう。
もしかして、それを見つけるのも試験の試験だったりするのかもしれない――
と思ったけど流石にそんなことは無く。少し離れたところに居た小さな男の人が、私の方へ来て”402”と書かれたプレートを渡してくれた。
プレートを胸元に付ける。試験が始まるまでどこで待機するのがいいんだろう。
もしかしたら
そう考えて前方の様子を観察しながら、先程出てきた扉の方へ移動していると、突然背後から衝撃を受けた。
｢うぶっ……ごめんなさい！｣
聞こえた男の子の声に振り向くと、そこには私より歳下の男の子が居た。
私が後ろを見ていなかったせいで、扉から出てきたこの子とぶつかってしまったらしい。
｢ごめんなさい！怪我してない？｣
｢オレは大丈夫！お姉さんこそ痛いところとか無い？｣
｢私も大丈夫。本当にごめんね……｣
固い大盾にぶつかったのはこの子の方なのに心配してくれるなんて、なんて良い子なんだろう。
｢おいゴン大丈夫か？｣
男の子の後ろからこちらに向かって声が聞こえた。この子、ゴンくんって言うのかな？
｢お友達？｣
｢うん！紹介するよ｣
元気に答える男の子の声に促されるように顔を上げた瞬間、私の世界から音が消えた。
【5】君と抱擁、他人の空似→←【3】試験とご馳走、エレベーター
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裕佐(プロフ) - にあみるまる。さん» こんばんは、コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです〜( ; ; )ボード返信したので良ければ仲良くしてください！ (7月8日 23時) (
レス) id: 31030c7bbc (このIDを非表示/違反報告)
にあみるまる。(プロフ) - こんにちは、素敵な作品ですね。無理せずに頑張ってください、あの会話とかしたいなぁと思っていてもしよければボードでお話したいです、お返事お待ちしています。 (7月8日 21時) (レス) id: 2b8d2ab93c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕佐 | 作成日時：2023年6月4日 15時
