【27】試食と本音、もう一回 ページ27
｢これだ！！｣
｢できた……！｣
クラピカと私がスシを完成させたのはほぼ同時だった。
昔食べたスシとは少し味が違う気がするけど、とりあえず審査してもらわないことには始まらない。
先にクラピカが料理を提出した。結果は……
｢あんたも403番並！！｣
メンチさんの叫びと同時にお皿が飛んでいく。
403番並……クラピカを見ると、せっかくの美貌が涙を流すくらいに酷い顔をしていた。
｢そんなにショックか、ああ！？コラ！！｣
……やっぱり、作り方教えた方が良かったかな……
｢もーどいつもこいつも！観察力や注意力以前にセンスが無いわ！やんなっちゃう！｣
この空気感で料理を見てもらうのは緊張するけど、
｢あの！私のスシも見てもらえますか……？｣
私はメンチさんの前へ進むと、おずおずとお皿の上のクロッシュを取った。
｢あら、ようやくちゃんとしたスシが出てきたわね｣
ひとまず見た目はスシとして認めてもらえたらしい。
｢どれどれ｣
メンチさんがスシを口に運ぶのを固唾を飲んで見守る。
｢……まあおいしいわね！ちゃんとニギリズシの形になってるしこれなら合格でも――｣
合格、その単語よりも先に"まあおいしい"という言葉が引っかかった。
｢っ、待ってください！メンチさんは本当に……私のスシをおいしいと思ったんですか？｣
｢……何が言いたいの？｣
｢さっきメンチさんが言ってましたよね。美食ハンターたる者自分の味覚には正直に生きるべきだって。メンチさんが本当に私のスシをおいしいと思ってくださったのならいいんです。だけど――｣
｢分かったわ｣
私の話を聞いていたメンチさんは、一度目を閉じると真剣な眼差しでこちらを見つめた。
｢……402番、あんたのスシは形も味も悪くはない。だけど私ならこの森にあるものでもっと良いものを作れるわ！ それと同じものとは言わない。だけどあんたが私を納得させられると思うスシを、もう一回作り直して来な！！｣
｢はい！ありがとうございます！｣
｢おい、せっかく合格って言われかけてたのにあの女頭おかしいぞ！｣
｢一人だけハンター試験じゃなくて熱血料理漫画みてぇなことやってやがる！｣
理想のスシを作ることに闘志を燃やす私は、他の受験生の野次には気付かなった。
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裕佐(プロフ) - にあみるまる。さん» こんばんは、コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです〜( ; ; )ボード返信したので良ければ仲良くしてください！ (7月8日 23時) (
レス) id: 31030c7bbc (このIDを非表示/違反報告)
にあみるまる。(プロフ) - こんにちは、素敵な作品ですね。無理せずに頑張ってください、あの会話とかしたいなぁと思っていてもしよければボードでお話したいです、お返事お待ちしています。 (7月8日 21時) (レス) id: 2b8d2ab93c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕佐 | 作成日時：2023年6月4日 15時
