【26】スシと思い出、空飛ぶお皿 ページ26
私達の目の前には大量の魚。スシにどんな魚を使うのか分からなかったから協力して手当り次第に捕ってきた。
ここからは個人作業ということで、私も料理に取り掛かる。
魚をどう使うかはともかく、クラピカが言っていた酢と調味料を加えた飯っていうのは確実に作れそうだよね。
そう考えて用意されているライスに酢を加えて混ぜていく。
その瞬間、暖かいライスと酢が混じり合う香りが鼻をくすぐるのと同時に、私の記憶を揺さぶり起こした。
――そうだ、私はスシを食べたことがあった。
あれはまだ六歳くらいの頃。
ジャポンが舞台の本を読んだネルラが、その中に登場する料理をどうしても食べたいと駄々を捏ねたことがある。もちろんネルラと同じ本を読んだ私もその料理に興味津々だった。
その料理というのがスシだったのだけど、二人で生魚を食べる文化に馴染みのない叔父様と叔母様を説得して、スシを作る職人を呼んでもらったのだ。
あの時、ジャポンから来た職人さんは大はしゃぎする私達にスシを握らせてみてくれた。どうして忘れてたんだろう。
確か作り方は――
｢よし！出来たぜー！オレが完成第一号だ！！｣
私が魚を捌き始めると、近くにいたレオリオさんがスシを完成させたようでメンチさんの方に向かっていく。
｢名付けてレオリオスペシャル！さあ食ってくれ！｣
現れた料理を見たメンチさんは、次の瞬間スシをお皿ごと放り投げた。
｢食えるかぁっ！｣
｢て、てめ！何も放ることねーだろコラァ！｣
｢何？失格にするよ。 いーい！？カタチは大事よ！ニギリズシの形をなしていないものは味見の対象にもならないわ！｣
さすがメンチさん、料理に厳しい……
｢くそー自信作だったのに｣
｢よーし、次はオレだ！｣
入れ替わるようにゴンくんが審査に向かっていく。
｢403番とレベルがいっしょ！！｣
再び皿が宙を舞った。
｢レオリオと同レベルかー…｣
｢心中察するぞゴン！｣
ゴンくんがかなり落ち込んでる上にあの励まし方……レオリオさんはよっぽど酷い料理を作ったことがあるのもしれない。
その後も次々とスシが運ばれていっていたけど、どれも食べてもらうことさえできない。
そんな中、先程から辺りを観察していたクラピカが何かに気付いたように手を動かし始める。
お互いに助言は無しと決めたから作り方を伝えられなかったけど、クラピカは自力でスシに辿り着いたみたいだった。
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裕佐(プロフ) - にあみるまる。さん» こんばんは、コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです〜( ; ; )ボード返信したので良ければ仲良くしてください！ (7月8日 23時) (
レス) id: 31030c7bbc (このIDを非表示/違反報告)
にあみるまる。(プロフ) - こんにちは、素敵な作品ですね。無理せずに頑張ってください、あの会話とかしたいなぁと思っていてもしよければボードでお話したいです、お返事お待ちしています。 (7月8日 21時) (レス) id: 2b8d2ab93c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕佐 | 作成日時：2023年6月4日 15時
