【24】試食と嫉妬?人体のふしぎ ページ24
「うん、おいしい!」
「これも美味!」
試験官が丸焼きを次々と頬張るのを眺めながら、早々に合格を貰った私達は先程余分に焼いた肉を食べていた。
「あんなに大きいからどんな味かと思ったけど、固すぎず柔らかすぎずでいい感じだね」
「確かに程よい歯応えだな、噛む度に旨味が広がっていく感覚がする。Aは料理が上手いな」
「口に合ったみたいでよかった!ゴンくんとレオリオさんは……」
「うん、おいしいよ!」
「これならいくらでも食えそうだぜ」
そう答えてくれる二人についつい笑みが溢れる。
「本当?!じゃあもっと食べてよ」
「おっいいのか?」
「まだ沢山あるしね。ほら、あ〜ん」
機嫌が良くなった私は切り分けてある肉を取るとレオリオさんの口に運んだ。
「くぅ〜女の子に食わせてもらうと数倍うまく感じるぜ!」
その言葉に苦笑していると、突然隣にいたクラピカが肘でレオリオさんをどついた。
「ってぇな!おいクラピカどういうつもりだ!?」
「食べながら喋るんじゃない。やはり君には品性というものが欠けているな」
「だからって殴ることはねぇだろうが――」
レオリオさんは一瞬言葉を止めたかと思うと、したり顔で続ける。
「お前……もしかして嫉妬か?オレがAに食べさせてもらってたのが羨ましかったんだろ」
「なっ……君のような低俗な人間と一緒にするんじゃない!」
「低俗かはともかく……クラピカはそういうタイプじゃないもんね」
「ほら見ろ。Aも言っている」
「ふっ、どうだかな。まぁそういうことにしといてやるよ」
ムッとした顔のクラピカと対照的に、レオリオさんは得意げだった。
しばらくして、ゴンくんのところに来たキルアくんや、近くにいたほかの受験生にもお裾分けをして私が焼いた豚が無くなるのと同時に、試験官の手が止まる。
「あ〜食った食った。もーおなかいっぱい!」
その言葉と同時に試験終了の合図が鳴らされた。
試験官が食べた丸焼きは全部で70頭。2次試験に参加した人の半分くらいの計算になる。だけど……
「ねぇクラピカ……あれっておかしくない?」
「あぁ、明らかに奴の体積よりも食べた量の方が多い!!」
やっぱりクラピカも同じことを考えたみたいだった。
「どういう身体の構造をしてるんだろう……」
「いやそんなマジで悩まれても……つーかそれを言ったらあの豚を二頭同時に運んだAも大概だからな……」
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裕佐(プロフ) - にあみるまる。さん» こんばんは、コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです〜( ; ; )ボード返信したので良ければ仲良くしてください! (7月8日 23時) (レス) id: 31030c7bbc (このIDを非表示/違反報告)
にあみるまる。(プロフ) - こんにちは、素敵な作品ですね。無理せずに頑張ってください、あの会話とかしたいなぁと思っていてもしよければボードでお話したいです、お返事お待ちしています。 (7月8日 21時) (レス) id: 2b8d2ab93c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:裕佐 | 作成日時:2023年6月4日 15時