【20】素質とワクワク、霧を抜けて ページ20
｢ヤツにハンターの素質があるとは私は絶対に思わない｣
クラピカの言葉に私も同意する。
だけど、今までのヒソカを見ていたら嫌でも認めざるを得ない。ヒソカは戦闘においては天才的な才能の持ち主だ。
｢特異な能力を持つ者が同じような才能の持ち主を発掘することはよくある。多分ヒソカなりの勘や経験で3人にハンターとしての素質や将来性を感じたのではないか？｣
素質や将来性……ヒソカは本当に私にそんなものを感じたんだろうか。
……ハンターになっても、私には何も無いのに。
｢"今殺すにはおしい人材だ"そんな風に考えたのかもな｣
私もゴンくんも考え込むように黙ってしまったので一瞬沈黙が訪れた。
｢おっとすまない。無神経だったな｣
｢ううん。少しずつ分かってきた気がする。オレがあの時感じた変な気持ち｣
……ゴンくんは何を感じたんだろう。
｢ヒソカがオレの方に近づいてきた時、怖くて逃げ出したいけど背を向けることも出来なくて。だけど……なんていうのかな、殺されるかもしれない極限の状態なのにさ｣
｢変だよね？オレ、あの時少しワクワクしてたんだ｣
ワクワクした。その言葉とゴンくんの顔を見て、私はどうしてヒソカがゴンくんに合格と言ったのか、少し分かったような気がした。
霧を抜けた先には、中から何か大きな音が響く建物とその前に佇む沢山の人が居た。
｢どうやら間に合ったようだな｣
二次試験がまだ始まっていないことに安堵する。
だけどそれよりも、ヒソカとレオリオさんは……
私達が辺りを見渡していると、突然ゾクリと何かに見られている気配を感じる。
振り向いた先に居たのは案の定ヒソカだった。
ヒソカは私達が気付いたことを確認するとくいっと指を指す。
その方向へ走って行くと、レオリオさんは木にもたれかかるように座っていた。
｢｢レオリオ！！｣｣
｢レオリオさん！｣
どうやら意識はあるみたいで一安心だ。
｢うむ。腕のキズ以外は無事のようだな！｣
｢クラピカ、顔もよく見てあげて｣
どう見ても頬が腫れているレオリオさんにきっぱりと言い切ったクラピカは、私の言葉にもう一度レオリオさんを見つめるとしまったという顔をした。
素で気付いてなかったんだ……
｢しかしなんでオレこんなケガしてんだ？どーも湿原に入った後の記憶がはっきりしなくてよ｣
｢……｣
｢言わない方が……いいな｣
｢｢うん｣｣
不思議そうに言うレオリオさんに、私たちは顔を見合わせ頷き合った。
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裕佐(プロフ) - にあみるまる。さん» こんばんは、コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです〜( ; ; )ボード返信したので良ければ仲良くしてください！ (7月8日 23時) (
レス) id: 31030c7bbc (このIDを非表示/違反報告)
にあみるまる。(プロフ) - こんにちは、素敵な作品ですね。無理せずに頑張ってください、あの会話とかしたいなぁと思っていてもしよければボードでお話したいです、お返事お待ちしています。 (7月8日 21時) (レス) id: 2b8d2ab93c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕佐 | 作成日時：2023年6月4日 15時
