【19】ニオイと嗅覚、審査の基準 ページ19
｢そんなことが……｣
ゴンくんの犬並みの嗅覚によるナビゲートで二次試験会場に向かいながら、クラピカが来るまでの間に何があったのか説明した。
｢それにしてもA。三方向に別れて逃げようと提案したのはお前なのに、一人でヒソカに向かっていくなんて何という無謀なことを……！｣
クラピカが眉をひそめる。
｢ごめんねクラピカ。私がおとりになったら二人が逃げる時間を稼げるかなって――｣
｢それでAが死んでしまったら元も子も無いだろう！？｣
苦笑いで答えると怒られてしまった。
語気は強いけど心配して言ってくれてるのが伝わってきて、なんだかくすぐったい気持ちになる。
｢まあまあ、Aも無事だったんだからそんなに怒らなくても……っと二人ともこっちだよ！｣
それにしてもゴンくんの鼻は凄い。私も試しに匂いを探してみたけどゴンくんのようにはいかなかった。
｢そんなにはっきりわかるのか？｣
｢うん！このくらいの匂いなら数kmくらい先にいてもわかるよね｣
｢それは多分ゴンくんだけだと思うよ……｣
｢それにまるで道標みたいに動物の死体が転がってるし。たぶんヒソカを狙って逆にやられたんだろうね｣
ゴンくんの言う通り、先程から地面に落ちている動物の死体はまるでヘンゼルとグレーテルのパンくずのようだった。
その後も三人で走り続けていると、ふと何かを考えるようにゴンくんが言った。
｢……ねぇクラピカ、A。ヒソカが言ってた合格って一体……どういう意味だと思う？｣
｢そっか、ゴンくんはあの時居なかったもんね｣
｢奴は試験官ごっこだと言っていた。つまりヒソカは我々を審査していたのさ｣
クラピカの言葉で先程の惨状が蘇り、少し暗い気分になる。
｢どうやって？だってオレもAもヒソカに顔を見られただけだよ｣
｢でもゴンくんは釣竿でヒソカの顔をぶってたし……｣
｢Aもヒソカの腕に傷を負わせたんだろう？｣
｢うん、オレ達はね。でもレオリオは殴りかかって逆に倒されちゃったよ。それでも合格だって｣
レオリオさんがやってきた時のヒソカの様子をよく思い返してみて、一つ思い出す。
｢そういえばあの時、ヒソカがレオリオさんを見ていい顔をしてるって｣
｢……おそらく、自分と似たニオイを感じ取ったんじゃないか？｣
クラピカの言葉にゴンくんがハッとしていた。何か思い当たることでもあったのかもしれない。
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裕佐(プロフ) - にあみるまる。さん» こんばんは、コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです〜( ; ; )ボード返信したので良ければ仲良くしてください！ (7月8日 23時) (
レス) id: 31030c7bbc (このIDを非表示/違反報告)
にあみるまる。(プロフ) - こんにちは、素敵な作品ですね。無理せずに頑張ってください、あの会話とかしたいなぁと思っていてもしよければボードでお話したいです、お返事お待ちしています。 (7月8日 21時) (レス) id: 2b8d2ab93c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕佐 | 作成日時：2023年6月4日 15時
