【17】誓いと命、秘密の呪文 ページ17
"ハンター試験は自分の力だけで突破する"
試験に参加する前にそう誓ったけど、今はそんなこと言っている場合じゃなかった。
あんなに強い意志を持ってハンターを目指している二人を、こんなところで死なせるわけにはいかない。
私が絶対に二人を守る――
｢……ヴォルトゥペラ｣
走り始めるのと同時に小さな声で呟いた。
その瞬間、右眼から身体が熱いもので覆われていくような感覚がするのと共に、全身に力が湧き上がる。
私は進行方向を変えると、その勢いのままに全力疾走で大きく回り込んでヒソカの後ろを目指した。
……居た！！
カウントダウンは5、残り時間も同じ……。
勢いを落とさずにターゲットに向かっていく。
間合いにヒソカが入ったその瞬間、私は全ての勢いを短剣に込めてその首目掛けて振り下ろした。
だけどその瞬間、勢いよくヒソカが振り向く。
避けられる……！！
首元を狙ったはずの私の攻撃は、右上腕にズレていた。
｢……いい太刀筋だね♧｣
目を合わせたまま、ヒソカが近づいてくる。
このままじゃダメだと頭では分かっているのに身体を動かすことができなかった。
｢でも殺気がダダ漏れ♤アレじゃわざわざ自分の存在を知らせてるようなものだ♢｣
目の前まで来たヒソカにトランプを使って顎を持ち上げられる。死を覚悟した時、聞こえてきたのはレオリオさんの声だった。
｢A！？｣
突然現れたレオリオさんにヒソカが私から視線を外す。
｢レオリオさん……！？どうして！！｣
｢やっぱだめだわな。こちとらやられっぱなしでガマンできるほど……｣
｢気ィ長くねーんだよォオー！！｣
長い棒のようなものを持ったレオリオさんがこちらに向かって振りかぶってくる。
｢ん〜いい顔だ♢｣
自分目掛けて振り下ろされたそれをヒソカは難なく避けるけと、レオリオさんの頭に掴みかかろうとした。
間に合わない！
そう思った瞬間ヒソカ目掛けて何かが飛んできたかと思うと、ドコッという鈍い音と共にその顔に直撃する。
あの武器は……
はっとして視線を向けた先に居たのは、
｢ゴンくん！！｣
｢ゴン！？｣
ゴンくんは私達よりずっと前を走っていたはず。なのにどうしてこんな所に……？
攻撃を食らったヒソカがぐるりとそちらを振り向く。
｢やるねボウヤ♧｣
｢釣り竿？面白い武器だね♡ちょっと見せてよ♢｣
警戒するゴンくんに距離を詰めるヒソカ。
私が向かうよりも先にレオリオさんが動き始めていた。
【18】気絶と合格？彼の行方→←【16】奇術師と試験、不合格
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裕佐(プロフ) - にあみるまる。さん» こんばんは、コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです〜( ; ; )ボード返信したので良ければ仲良くしてください！ (7月8日 23時) (
レス) id: 31030c7bbc (このIDを非表示/違反報告)
にあみるまる。(プロフ) - こんにちは、素敵な作品ですね。無理せずに頑張ってください、あの会話とかしたいなぁと思っていてもしよければボードでお話したいです、お返事お待ちしています。 (7月8日 21時) (レス) id: 2b8d2ab93c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕佐 | 作成日時：2023年6月4日 15時
