【15】霧とパニック、再マラソン ページ15
｢くっく♤なるほどなるほど♧｣
振り向くとあのヒソカがトランプを手に妖しげな笑い声を漏らしていた。
｢これで決定♢そっちが本物だね♡｣
そう語るヒソカの視線の先にはトランプを手で受け止めたらしいサトツさんが居た。
｢我々が目指すハンターの端くれともあろう試験官が、あの程度の攻撃を防げないわけがないからね♧｣
ヒソカの言い分は概ね私の推測と同じものだった。だけどこんなやり方で試験官を試すなんて。
｢ほめ言葉と受け取っておきましょう。しかし、次からは即失格とします。よろしいですね？｣
｢はいはい♢｣
ヒソカはやっぱりヤバい。今の出来事で嫌という程分かった。
ニセ試験官には大量の鳥が集まって死体を貪っている。自然の摂理とはいえ見ていて気持ちの良いものでは無かった。
｢こうした命がけのだまし合いが日夜おこわれているわけです。……それではまいりましょうか、二次試験会場へ｣
｢ちっ、またマラソンの始まりかよ｣
一応整備されていた先程の道とは違って、湿原の地面はぬかるんでいて動きづらい。
それでも前に遅れないよう走っていると徐々に視界が遮られていった。
｢霧か……｣
湿原を抜けると聞いた時から覚悟していたけど、どんどん濃くなるそれに少し焦る。
｢レオリオー！クラピカー！Aー！｣
すると前方からゴンくんの声が聞こえてきた。何かあったのだろうか。
｢キルアが前に来た方がいいってさー！！｣
その言葉に思わず顔を見合わせた。
｢どアホー！いけるならとっくにいっとるわい！｣
レオリオさんが返事をすると、再びゴンくんの声がひびく。
｢そこを何とかがんばってきなよー！！｣
ゴンくんがああ言ってるということは、何か事情があるんだろうけど、目の前の霧と人の壁を超えて進んで行くことは残念ながら叶わなかった。
｢ぅわあああああ！！！｣
濃さを増していく霧の中で、叫び声が響き渡る。
それを皮切りに周囲に悲鳴や怒号が巻き起こり始めた。
四方八方から聞こえるそれと、次々と湿原の生き物に襲われていく人達の姿は阿鼻叫喚と呼ぶのに相応しい。
｢知らねーうちにパニックに巻き込まれちまったぜ｣
｢どうやら後方集団が途中から別の方向へ誘導されてしまったらしいな｣
｢かなりマズい状況かもね……｣
この場を離れようにもこのパニックではとてもじゃないけど無理だ。
とにかく巻き込まれないようにしていると、突然私達のいる一帯に向かって物凄いスピードで何かが飛んできた。
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裕佐(プロフ) - にあみるまる。さん» こんばんは、コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです〜( ; ; )ボード返信したので良ければ仲良くしてください！ (7月8日 23時) (
レス) id: 31030c7bbc (このIDを非表示/違反報告)
にあみるまる。(プロフ) - こんにちは、素敵な作品ですね。無理せずに頑張ってください、あの会話とかしたいなぁと思っていてもしよければボードでお話したいです、お返事お待ちしています。 (7月8日 21時) (レス) id: 2b8d2ab93c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕佐 | 作成日時：2023年6月4日 15時
