【2】森と猪、お手伝い ページ2
店主のお姉さんに教えてもらった、港から3時間程の場所にある森。
初めて来る場所での人探しだから時間がかかることを覚悟していたけど、息子さん――ルトさんは思いの外すぐに見つかった。
森は広かったけど人が通った後は簡単に分かったし、何よりルトさんからほのかにカレーの匂いがしていたから。
｢それで僕を助けに来てくださったんですね！｣
｢はい、それにしても本当に大丈夫なんですか？木から落ちて気絶するなんてかなりのダメージだと思うんですが……｣
｢大丈夫ですよ、僕昔からこういうことが多くて慣れてるんです！……って自慢できることじゃないんですけどね｣
｢ふふ。スパイスの匂いで獣からも身を守れていたみたいですし、本当に無事で良かったです！ところで、ルトさんは狩りをしにこの森に来たんですよね？｣
｢はい。うちの店は小さいけど、ここの猪の肉を使ったカレーが人気なんです！……でもこんな状態ですから、今日は諦めて帰ろうと思います｣
｢あの……ご迷惑じゃなければ私がその猪を捕まえましょうか？こうして会ったのも何かの縁だと思うんです｣
〜
｢この辺りが猪の生息地です。でも本当に大丈夫ですか？ここの猪は、世界一凶暴な豚と言われてるグレイトスタンプの近縁種でかなり危険と言いますか……｣
｢心配しないで下さい！これでもハンターを目指してるんです。それに――｣
言いかけたところで、突然私目掛けて大きな鼻をした何かが物凄い勢いでこちらに向かってくる。
｢Aさん！それが猪です！｣
｢分かった！任せて下さい！｣
思ったより大きいけどこの位なら……！
いつも背負っている大盾を手に持ち替えてしっかりと握ると、私は猪の突進を受け止めた。
｢っと……！｣
この鼻大きいだけじゃなくて凄く硬い。しっかり身構えてたのにそれなりの衝撃。
私がダメージを受けなかったのが気に入らなかったらしい猪は、再び距離を取るとこちらに向かってくる。
それにしても。
どうしてこの猪はこんなに大きな鼻をしてるんだろう。
亀やアルマジロは硬い甲羅で体を守ってる。この鼻も甲羅と同じような役割を果たしているとすれば――
鼻に頼った猪の攻撃は単調だ。
私は大盾を地面に思い切り突き刺して固定すると、タイミング測って盾を飛び越え、そのままの勢いで猪の額に着地した。
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裕佐(プロフ) - にあみるまる。さん» こんばんは、コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです〜( ; ; )ボード返信したので良ければ仲良くしてください！ (7月8日 23時) (
レス) id: 31030c7bbc (このIDを非表示/違反報告)
にあみるまる。(プロフ) - こんにちは、素敵な作品ですね。無理せずに頑張ってください、あの会話とかしたいなぁと思っていてもしよければボードでお話したいです、お返事お待ちしています。 (7月8日 21時) (レス) id: 2b8d2ab93c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕佐 | 作成日時：2023年6月4日 15時
