知らないは知っている (ページ11)

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美門先生ページ11

翼「今から社会教えるけど、地理か歴史どっちが
　いい?」

　うーん。私は、社会はまあまあ好きだから、何でもいいかな?

彩「私は、何でも良いよ。」

若「俺、歴史!」

上「じゃあ俺、地理。」

若「何でじゃあ、何だよ!」

　あーあ。喧嘩始まっちゃたよ。

小「ぼ、僕は、何でも良いよ。」

忍「何で、若武は歴史が良いんだ?」

　ナイス!忍!
　喧嘩を止めて二人がこっちを見てるよ。

若「歴史って、皆似たような顔と名前してるし、
　年号なんてほぼ一緒だからさ、こんがらがる。」

　え!それって教えてもらっても…

忍「それって教えてもらっても変わんなくね?」

　忍、言っちゃた。

　案の定、若武は、不貞腐れて部屋の隅の方でそっぽ向いた。

翼「なら、地理で良いね?」

黒「美門、お前わざと空気読んでないな。」

　もう!翼の意地悪。

若「良いさ。俺のことなんてどうでも良いんだ。
　勝手にしろ。」

　なんか、可哀想になってきたな。

　私は、若武の方に近づいた。

彩「若武、歴史は残り二日の時の自習の時間に聞
　いたら、良いよ。ね、元気出して。」

　すると、若武は目をキラキラさせてこっちを向いた。

若「アーヤは、優しいな。」

　ふふふ。それほどでも。

若「俺が、好きなんだろ。」

　は?

若「でも、恥ずかしいからこうやって俺に近づて
　来るんだろ。」

　は?

若「もうそんなことはしなくていいからさ、付き
　会おうぜ。」

　もう、バカ武!
　一生こんがらがってなさい!

翼「…ということで…」

　わっ!もう始まってる!

　私は、若武を放っといて翼の話を聞きました。