農家19 ページ20
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「 へ〜マジで神主さんしてんのね 」
「 見学料1万円 」
「 ぼったくりすぎない? 」
「 リーグ選手なんでしょ、ほら 」
「 そんな大金今持ってないケド?! 」
掃除している横でずっとみてくる及川
帰れと言ったはずなのに聞こえてないのかな
さわさわと風で葉っぱ同士が擦れる音がする
気持ちのいい風に集中するために目を閉じるけど
後ろからねーねー次何するのー?と聞いてくる鰹節頭
業務執行妨害だ
この時間ならそろそろ信介くんが来るはず
そう思った時本当に階段の方から足音がして及川を放置してそちらへ駆け寄る
バッとみると案の定信介くんで
及川には見られたくなくてすぐ様私より背の高い信介くんの肩を掴んで小声で呟いた
「 信介くん、お、おはよう 」
「 はよさん、この手はどしたん?こけそう? 」
「 んや、そうじゃない、んだけど、 」
「 ん?なんや。なんかあったか? 」
優しく手を握って頭を撫でてくれる信介くん
その優しさにぶわっと涙が出てきて
泣くはずなんてなかったのに安心しきって泣いてしまった
「 え、ちょっ、え?! 」
「 …今日は、帰って 」
「 は?なして? 」
「 い、いいから 」
「 ほんま何があったん? 」
及川にこの状況は見られたら絶対から揶揄われるし
かと言って信介くんが足を運んでくれたのに無下に帰したくない
けどなんとも思ってないけど仮にも元カレが今この場にいるから好きな人には一緒にいる場所を見られたくない
どう伝えようかと悩んでいるとガサガサと足を音がして信介くんがその後に気づいて顔を上げた
「 ちょっとA、勝手に走んないでよーって、え? 」
「 ?? 」
「 A?誰これ 」
「 …及川、帰ってよ 」
「 折角来てやったのに、可愛くないなあ 」
もーいい帰るし〜
と声がしてほっとしたのも束の間
「 っっえ、」
.
「 オニーサンゴメンネ?ちょっと俺この子に用があるから借りてく〜! 」
「 はぁ?!ちょ、及川!私仕事ある! 」
「 数分だけだって! 」
何を思ったのか私の腕を引っ掴む及川に対抗する私と呆然とする信介くん
意味のわからない構図ができてしまった
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まこ - おはようございます。北さん小説凄い良かったです。成人してからの小説は珍しく面白いですね。きっと北さんは今日も丁寧に畑や田んぼと向き合っている事でしょう。笑 ありがとうございました。 (2020年12月4日 7時) (レス) id: 39f6050cf2 (このIDを非表示/違反報告)
西谷 ニシヤ(プロフ) - 凄くカッコよかったですぅ(泣)最後の2人の所で号泣でした、北さんイケメン。(真顔) (2020年6月13日 19時) (レス) id: d570396b88 (このIDを非表示/違反報告)
仔犬(プロフ) - 宙さん» 北さんかっこつけさせました…(照)楽しみにしてくださってとても嬉しいです(^^)/ (2020年6月13日 14時) (レス) id: 8b2aa36d50 (このIDを非表示/違反報告)
仔犬(プロフ) - Decemberさん» コメントありがとうございます!主人公褒めてもらえてとても嬉しいです(^O^)/ (2020年6月13日 14時) (レス) id: 8b2aa36d50 (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - すきぃっ!!ちょっとセリフかっこよすぎません??その上関西弁は落としに来てますわー「北信介」の文字に飛びついて見に来たらカッコ良さが爆発してましたね!!!楽しみにしてます!!(及川さんw) (2020年6月7日 9時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:仔犬 | 作成日時:2020年5月19日 11時