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久しぶりの休日で2人きりで過ごせるはずだったのに双子の勉強会ということで独占できなくなった。こればかりは仕方ないけれどやっぱり2人でゆったりと勉強したかったわけで。
目の前の金髪が項垂れながら勉強している姿に少し腹が立ってつむじをグリグリと押してやった
「 っは〜!これで課題は終わった!範囲も大体理解できたわ〜! 」
「 鈴崎さんありがとう 」
「 ううん、お役に立てたならよかった!今日はもう終わろっか夕方だし 」
「 急に来たのにすまんな、アポ取ればよかったわ 」
「 いいよいいよ、私も勉強できたし! 」
「 角名帰るで 」
「 ああうん、」
ガチャガチャとペンやノートを片付け始める傍らAは出しておいた飲み物やお菓子を片付けている。いつもと違う香水の匂いに1人で勝手にドキドキしていた。侑たちと帰るのはやめて1人残りたいが、そういえばたぶんなんでやと聞かれるのがオチなので帰るフリをしてまた後でこよう
「 角名 」
「 ん?なに鈴崎 」
「 これ、落ちてた 」
「 ?さんきゅ 」
かさ、と女の子らしいメモ用紙に書かれた言葉は【 また後でもどってきてね 】の1文
咄嗟に口を手で覆うが、顔が赤くなっているような気がする
幸いにも双子らはもう荷物を持って出口のほうにいて《スナ〜はよせぇや》と少しキレ気味な口調で飛んでくる。可愛い彼女との時間を少しぐらいは過ごさせろよ
「 遅いやん、なにしてたん 」
「 トイレ 」
「 スズちゃん何もされとらんか?! 」
「 いや、なんでだよ 」
「 スナの事だし、? 」
「 それ侑でしょ 」
俺の背中に小さく隠れている彼女に手をアイツらにバレないように小指だけ握る
力を入れたら折れてしまいそうなその指に愛おしさを覚えながら一度家を出る
「 またね〜 」
「 おんありがと〜! 」
「 じゃあな、鈴崎さん 」
「 またね、鈴崎 」
パタンと心地よい音を立ててドアが閉まる
途端、侑が頭を抱えてしゃがみ込んだ
「 どしたの侑 」
「 あかん、スズちゃん今日めっちゃ可愛くない…? 」
「 え、いきなりなに 」
可愛いのは当たり前だろ
なんたって俺の彼女だからな
心の中で自慢をしていると頭が一際大きな声で叫んだ
「 彼氏より俺のがいいって言わせたるわ!!!! 」
…
ぶっ飛ばすぞ
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うち - うちも吹部でフルートやってるんですけど今年コンクールおもちゃ箱のファンタジーなんですけどそんな奇跡ある⁉って絶賛困惑中です!! めっちゃこの作品好きです!ありがとうございます‼! (4月29日 18時) (レス) @page16 id: 87d4336dcb (このIDを非表示/違反報告)
you(プロフ) - え!?自分吹部のトランペットなんですけど!!運命ですか??笑尊すぎて何度叫んだことか…素晴らしい作品ありがとうございます!! (11月5日 2時) (レス) @page44 id: 360de1a91f (このIDを非表示/違反報告)
まことです。 - 読んでる間、ずっと幸せでした!ありがとうございます!!! (2022年1月21日 13時) (レス) @page19 id: e9a746e18d (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 尊いの供給過多で死にそうです(((( (2021年8月3日 19時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
かれ(プロフ) - 彼氏より俺の方が良いって言わせたるわ! の後の角名くんのぶっとばすぞが好きすぎて思わずスクショしましたwwww作者さん好きすぎますwwwww (2021年6月13日 22時) (レス) id: 0a939cc9b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:仔犬 | 作成日時:2020年5月8日 22時