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「 ……泣き止んだ? 」
「 なんで桜木が先に泣き止んでんだよ…アホ… 」
「 なんか、英の泣いてる姿見たら、冷静になっちゃった 」
あれから数時間
未だ私を抱きしめてずっと泣いている彼はいつもからは想像できないほど顔をぐっしゃぐしゃにして泣いている。こんなに感情爆発することあるんだな。って思った
「 …ちょっと、離して 」
「 離すわけねぇじゃん 」
「 やだ、なんか恥ずかしくなってきた 」
「 離したら離れるからダメ 」
「 力加減覚えてくれる?! 」
じたばたしても変わらない体制に半ば呆れながらもされるがままに抱きしめられている私
そろそろ泣き止んで
「 …私の話、聞いてくれる? 」
「 …何また文句? 」
「 この状況で言うわけないでしょ。馬鹿なの? 」
「 いーから、なに、話って 」
耳元で少し低めの心地の良い声が響く中で私は意を決して話そうとする
なんだか気恥ずかしくて、肩が強張る
「 私ね、ずっと前から、英のことが好きだったんだ 」
「 …?!嘘つけ、気づいたのここ2日ぐらいだろ 」
「 まあ聞いてよ。そりゃ自覚したのは今日だし何言ってんだって感じでしょ?けどね、だーいぶ前から嫉妬はしてたよ 」
「 …ふーん 」
「 英が私以外の女の子と話したりしたらなんか嫌だなあとか、もし彼女ができてこの関係が壊れたら嫌だなとかね 」
「 へぇ、馬鹿なりに考えてたんだ 」
「 馬鹿にしすぎ。私だってちゃんと考えてたよ 」
いつのまにか抱きしめられている状況から膝の上に抱き抱えられた
「 だからね、私、」
振り向いてその先の言葉を紡ごうとした瞬間
強引に顎を掴まれて唇を奪われた
目の前には目を開けて生意気に見つめてくる英の顔がある
キス、されちゃった
「 ッ、ちょ、なに!! 」
「 流石に最後ぐらいは格好つけさせろよ 」
「 〜〜〜ッ、キ、キスしてきたのそっちじゃん! 」
「 だって言おうとするから 」
「 そう言うことじゃない!! 」
ポコスカと力のことはない拳で肩を叩くがものともしない英
先ほどのキスのせいで私の顔はまるで茹で蛸よう
いつにもなく漢の顔をした英に視線は釘付けだった
「 ね、桜木 」
「 …なに 」
「 今度こそ俺と付き合ってくれる? 」
「 …っ、はい!! 」
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さくみ(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!!幸せすぎましたっ、ありがとうございます! (2020年5月22日 6時) (レス) id: 8ec2e6d345 (このIDを非表示/違反報告)
仔犬(プロフ) - そまさん» そまさんコメントありがとうございます(^^)/喜んでいただけて幸いです!!他作品も連載中ですのでよければ足を運んでくださいね(*^^*) (2020年5月14日 21時) (レス) id: 8b2aa36d50 (このIDを非表示/違反報告)
そま - ちょっとまって……良すぎた……最高です。 (2020年5月11日 17時) (レス) id: d89abf58ed (このIDを非表示/違反報告)
浦島坂田船((箱推し - わざわざ返信ありがとうごさいます!いやぁーこの作品は、癒しだ〜 (*´∀`*) (2020年5月7日 1時) (レス) id: 923aa8cddb (このIDを非表示/違反報告)
仔犬(プロフ) - 浦島坂田船((箱推しさん» こんばんは!夜遅くにコメントありがとうございます!頑張って可愛くデレさせますね(^o^)/更新頑張ります!温かいお言葉励みになりました。ありがとうございます(^^)/ (2020年5月6日 2時) (レス) id: 8b2aa36d50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:仔犬 | 作成日時:2020年4月30日 9時