20 ページ20
*
「 なっ、な、なに、!?!? 」
「 かーわい、そんなにウブだったっけ?大学四年生 」
「 いや、英のせいだけど!?!? 」
鼻を噛まれた私は咄嗟に目を開けて英の胸板を押しかえして、距離を取る
そんなことをされたにも関わらず、すこし火照った顔で私を見ている英
なんだか、いきなり、友達から男の子って感じがして、
ここ数年感じたことのなかった胸の高鳴りを自制しようとしてもできない
ドクンドクンと、速度を緩めることを知らない心臓
赤く染まり上げた私の顔
1人だけ微笑んでいて何故か余裕そうな英
そんな空間に居た堪れなくなって、ぐいぐいと英を玄関先へと押す
いきなりされるもんだから「え、桜木?」と困惑した声を出しながらも足を進めてくれる英
「 ねぇ、桜木 」
「 ッ、なに、よ 」
.
.
.
.
「 __ 俺のこと、好きになって 」
.
.
.
「 へ……… 」
「 じゃあ明日の6時に迎えにくるから 」
「 えっ、ちょ、」
「 ン?帰って欲しいんじゃなかったの? 」
「 〜〜〜ッ、はいはいまた明日! 」
バタンと勢いよく扉を閉めて、ずるずると扉にもたれ込む
頭の中を締めてやまないのは先ほどの英の台詞
本当にあんな台詞を言う人がいるんだとちょっぴり感心したけど、実際目の前で言われたらドキドキして脈拍が高くなって、少し忘れようと思っても、思えば思うほど脳内に残ってならない
「 ……ほんと、なに、あのイケメン 」
ふとカレンダーを見ると明日に赤丸がされている
週末、夏祭りと書いてあった
そして先ほどの迎えにくる発言をした彼
「 明日どんな服着よう…?!浴衣?!私服?!なに?! 」
なにも考えていなかった明日の服装を決めるべくバダバタと大慌てでクローゼットの前に立つ
行く相手はあのオシャレ野郎だし、どうせ祭りに行っても逆ナンが多いんだろうなあ、
ため息をつきながらガサガサと漁ると奥にあった黒い木箱
カタ、と開けてみるとそこには白地に淡い水色の花が描いてある浴衣で、
「 ……おばあちゃん、持ってて正解だ 」
ぎゅ、とそれを握りしめるとスマホで浴衣の着方を調べる
生憎着付けはよくわかってなくて、難しい
けど
.
「 絶対、英をときめかせてやるし…! 」
729人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくみ(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!!幸せすぎましたっ、ありがとうございます! (2020年5月22日 6時) (レス) id: 8ec2e6d345 (このIDを非表示/違反報告)
仔犬(プロフ) - そまさん» そまさんコメントありがとうございます(^^)/喜んでいただけて幸いです!!他作品も連載中ですのでよければ足を運んでくださいね(*^^*) (2020年5月14日 21時) (レス) id: 8b2aa36d50 (このIDを非表示/違反報告)
そま - ちょっとまって……良すぎた……最高です。 (2020年5月11日 17時) (レス) id: d89abf58ed (このIDを非表示/違反報告)
浦島坂田船((箱推し - わざわざ返信ありがとうごさいます!いやぁーこの作品は、癒しだ〜 (*´∀`*) (2020年5月7日 1時) (レス) id: 923aa8cddb (このIDを非表示/違反報告)
仔犬(プロフ) - 浦島坂田船((箱推しさん» こんばんは!夜遅くにコメントありがとうございます!頑張って可愛くデレさせますね(^o^)/更新頑張ります!温かいお言葉励みになりました。ありがとうございます(^^)/ (2020年5月6日 2時) (レス) id: 8b2aa36d50 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:仔犬 | 作成日時:2020年4月30日 9時