No.038 ページ38
.
「 美味しかった〜! 」
「 せやろ!喜んでもらえてよかったわ〜 」
ご飯を食べて家に帰ろうとしている私たち
私の想像通りその、プ、プロポーズだなんてことはなく少し期待してしまった私が恥ずかしい
そんなことは梅雨知らず美味しい美味しいとリスのようにほっぺたを膨らませてご飯を食べていた治はとっても可愛かった。盗撮したのは私だけの秘密
「 あ、すまんちょい待っとって 」
「 忘れ物? 」
「 んや、こないだのスーツこの店に預けてたから取って帰ろと思て 」
「 じゃあ表で待ってるね 」
「 おん、すまんな 」
ぱたぱたとお店の中に入っていく治
私もこないだの結婚式で着たドレスクリーニング出そうかな
「 よし、帰るか 」
「 そだね 」
満月が暗い闇夜をうっすらと照らして街灯もないこの道はさながら大自然の中のようで凄い神秘的だ
足音が一つ減って不思議に思い後ろを振り返る
そこにはなんだかじーっとスマホを見つめる治
「 帰らないの? 」
「 …なあA 」
「 ん? 」
.
すっ、と上げた顔は凛々しく
見つめられる視線は炎のように熱く
逸らすことを許さない真っ直ぐな瞳
.
.
「 結婚するか 」
.
この夜の言葉は死んでも忘れないだろう
照れて火照る私の顔
伝えて照れている治の顔
.
嗚呼なんでこの人は私のことを喜ばすことが上手なのだろうか
そんなの答えは一択しかない
.
「 …………………ッ宜しく、おねが、いします…!! 」
.
感極まって眼からこぼれ落ちる大量の宝石
親指でスマートに拭って私の背中を撫でながら抱きしめてくれる彼
.
.
.
「 死ぬ時に俺を選んで良かったって思わせたる 」
「 ほんと…なんでそんなに格好いいの…ッ 」
「 ほんまは緊張してんねんで?余裕なんか無いわ 」
なんて言いながら私の左手の薬指にキラキラと輝く指輪をはめてくれる彼
なんて素敵な夜なんだろうか
.
643人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
仔犬(プロフ) - ゆうさん» 温かいお言葉有難う御座います!また今描いている作品が落ち着いたら続編出そうかななんて思ってます(^^)v気長に待っていただければ幸いです (2020年5月9日 22時) (レス) id: 8b2aa36d50 (このIDを非表示/違反報告)
仔犬(プロフ) - 彗。さん» 有り難いお言葉有難う御座います!キュンキュンしてもらえてなら幸いです!(`・ω・´) (2020年5月9日 22時) (レス) id: 8b2aa36d50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - すごく素敵な作品で一気に読んでしまいました!その後とか続編とかあったらいいなって思います。大好きです! (2020年5月9日 21時) (レス) id: b97f6377b3 (このIDを非表示/違反報告)
彗。(プロフ) - とても素敵な作品で読んでいてキュンキュンしました笑 完結おめでとうございます。 (2020年5月6日 20時) (レス) id: 6c56bd37ca (このIDを非表示/違反報告)
名無し39526号(プロフ) - 黒瀬さん» 優しいお言葉ありがとうございます!( ; ; )更新頑張ります! (2020年4月23日 23時) (レス) id: 8b2aa36d50 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:仔犬 | 作成日時:2020年4月16日 21時