隣のおにぎり宮さん【ハイキュー】【宮治】

No.034 ▽ ページ34

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「 にしても幸せそうやな 」

「 そうだね、綺麗 」

「 Aの着てるとこ見るん楽しみ 」

「 えっそれは…？ 」

「 フフフ 」




笑って誤魔化してくる治
遠回しにプロポーズされたって事でいいのだろうか。いや、自惚れはやめておこう。ついこないだ恋人になったばかりなのだから





「 あ、居た 」

「 飛雄 」

「 どうしたの？ 」

「 あ、谷地さんと日向が探してた 」

「 そうなの？ごめん、治少し行ってくるね 」

「 いてら〜 」






あまり話したことがなさそうだったけども２人きりにして大丈夫かな…
まあ、治人見知りしないし大丈夫だと思う。多分








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２人の間に春にしては珍しい冷たい空気が流れる









「 治さん、でしたっけ 」

「 おん、飛雄君よな 」

「 …付き合ったんですか 」

「 せや、先週にな 」

「 …アイツ、泣き虫なんです 」

「 おん 」

「 それで、努力家で、柴漬けが好きで、料理が上手くて、…それで 」

「 知っとるよ 」

「 …ッ、俺好きだったんですアイツのこと 」

「 それもよくわかる。今飛雄君俺と同じ顔してるからな 」

「 それで、それで…ッ 」





ぎゅ、と爪が手にめり込むまで拳を握りしめて肩を震わせている
周りから見えないようにしてあげたいけど生憎お互い背が高いもんで少し見られてしまう
方や、現役スーパーバレー選手。そりゃ視線を集めてしまうのも仕方がない





「 治さん 」

「 おう 」

「 俺の分まで幸せにしてやって下さい 」

「 言われんでもそのつもりや 」

「 知ってます。泣かせたら寝取りますんで 」

「 冗談キツいなぁ 」




少し目を潤ませてこちらを見てくる飛雄君



その想い、痛いほど分かるで
俺も伝える前は同じやったから
好きな女をいきなり出てきた男にやりたく無いよな
そうよな。俺もや。








恋とは好きになった順番通りに幸せになるとは限らない








「 …おにぎり。買いに行くんで 」

「 売り上げ貢献してな 」

「 それでは 」




ペコリとお辞儀をして歩き出す飛雄君






その昔フランスの小説家オノレ・ド・バルザックは言った


Love is a game in which one always cheats.
　【恋愛は、必ずどちらか一方がズルをするゲームだ】



と





悪いな飛雄君

俺好きな女の子はズルしてでも手に入れたいんや





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