拾伍話 幕引 ページ43
「…ここは」
目が覚めたのは、何度か見た天井だった。
確か、禰豆子が日を克服して＿。
「！禰豆子！！」
がばと起き上がれば、身体の節々が痛む。
いや、それよりも。
妹の安否が気になってベッドを抜け出そうとした矢先に、そばに置かれた机に置いてある手紙が目に入った。
「…、これは」
姉さんの匂いが、微かにする。
何も書かれていない封筒に、手を伸ばし、中を開ける。
そこには、謝罪の言葉が並べられていた。
『炭治郎、きっと目が覚めてからすぐに読んでいると、私は確信してるよ。
禰豆子は大丈夫だから、まぁとりあえず、落ち着きなさいな。
蝶屋敷の人達も、隠しの人たちも、勿論、伊之助も善逸も、禰豆子の事を分かってくれているし、柱の人達も、極力してくれているから、心配はいらないよ。
よく頑張ったね。
さて、炭治郎が目を覚ましてこれを読んでいる頃には、きっと私はもう、この世には居ないでしょう。
居なくならないという約束、守れなくてごめんね。
でも大丈夫、見えなくても、話せなくても、私はそばに居るから、どうか、どうか泣かないで欲しい。
ずるい姉でごめんね、私はダメな姉ちゃんです。
ありがとう、炭治郎、あなたと一緒にいれて、私は本当に幸せでした』
「…、は、？」
声がそれ以上出なかった。
どういう事だ、何があったんだ。
痛みも忘れて、病室を走り出た。
「、！善逸！！！」
縁側に座る、背中の丸くなった善逸を見つける。
だけど、そこで漂ってきたのは、深い悲しみの匂いだった。
「…炭治郎、俺、俺、ごめん、」
「なんで、善逸が謝るんだ…？」
「…、Aちゃんを、止めれなかった」
「！？」
問い詰めようと出かかった声を、飲み込んだ。
「何が、あったのか、教えて欲しい」
「………うん、」
項垂れて、顔が見えない善逸の隣に座る。
ぽつり、ぽつりとゆっくり、話し始めた。
「…炭治郎が、寝てる間に、鬼舞辻無惨が倒されたんだ」
「…え？」
「やったのは、Aちゃんで、、俺も見た時、正直、目を疑ったよ、、」
「、待ってくれ善逸、姉さんは、無事、なんだよな？」
「………」
沈黙が、答えだと悟った。
「っ、！！！どうして、姉さんが、姉さんは、」
「……炭治郎…」
「なぁ、善逸、嘘だと言ってくれ、頼む、姉さんは、」
「……」
「ｯ、、」
あぁ、あぁ、どうして、どうして、何も言ってくれなかったんだ。
なぁ、姉さん。
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うさぎもち - この小説めっちゃ面白いです。更新、楽しみにしてます！！！ (8月6日 15時) (
レス) id: 6ed501a3ba (このIDを非表示/違反報告)
月 - 面白かったです!これからも更新頑張ってください!（≧∇≦） (2019年11月29日 18時) (レス) id: f2a5c7d6f6 (このIDを非表示/違反報告)
あとら - めっちゃ好きです。一気に読んでしまいました！更新楽しみに待ってます！頑張ってください！ (2019年10月24日 22時) (レス) id: f15d6ec153 (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - とっても面白いです！続き楽しみにしてます！ (2019年10月24日 19時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鏡花@狐さん | 作者ホームページ：
作成日時：2019年10月9日 12時
