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玖話 ページ28

涙が出る、それでも足はとめない。

『…絶対に護る、たとえ命に代えても』

もう、決めた事なんだ。
怖いけど、早く戻らなきゃ。
刀を頸に当てて、そのまま勢い良く引いた。

『ッ!!』

ガバッと起き上がる。
大量の汗、乱れた呼吸と揺れる車内。
戻って来れた。
刀を取って周りを見ると、まだ他の三人は寝ていて、炭治郎の姿が見えない。

『そうか、上に行ったのか』

しょんぼりする禰豆子の頭を撫でながらニコッと笑いかけた。

『よし、全員のこの切符を燃やして』
「ウー!!」

禰豆子に全員のこの切符を燃やしてもらうとほぼ同時に、ウゴウゴと肉が眠っている乗客を襲おうと盛り上がってくる。

『禰豆子切って!!』
「ウゥ!!」

刀を構えて禰豆子と一緒に肉を切り落としていく。
あぁ!!数が多すぎる!!
煉獄さんはよ起きてくれぇ!!

車両の扉を全部開けて一車両事に襲いかかろうとする肉を削ぎ落とし、突いて力づくで餅のように引き伸ばして足で押さえつけて切り落とし…。
いやホンット数多いなぁ!!
そうしていると、煉獄さんが肉を切り落としながらやって来た。

「竈門少女!」
『煉獄さん!』
「ここと後ろの二車両を君と黄色い少年と竈門妹に任せる!あとの四車両は俺が守る!頼んだぞ!!」
『はいっ!』

そういって煉獄さんが移動して行った。
速いなぁ…目では追い付くけど競争したら負けそう。
他の車両では禰豆子と善逸君が一緒にお互いを守りながら肉を斬っているのが目に入った。

『!いっ、だっしゃァ!!!』

寝ている乗客に伸びる肉。
それを切った瞬間、右腕が肉に切り付けられる。
構わず鬼の肉を切り落とすが、周囲には甘い香りが漂っているのだと思う。
肉は乗客を襲おうとせず、一直線に私目掛けて伸びてくる。

『こんっの!』

今ここで鬼だってバレるわけにゃ行かんのよ!!
刀を振るう手が血で少し滑る。
早く治れ、早く!
刀に付いた自分の血事、鬼の肉を切り落とすと、その切り口が毒に侵されたように瞬時に爛れた。

驚いたが、そのまま後に残っていた肉もすべて切り落とすと、同じように毒に侵されたように爛れる。
鬼にとって私の血は毒…?
あれか?美しい花には棘があるっていう感じのあれか?!
…いや、考えるのは後!!今は肉を切ることに集中しろ私!!

ひたすら肉を切っていると、甲高い悲鳴が聞こえた。
この声、頸切ったんだな!
などと思っていると、列車が傾く。
やばい、やばい…!
そのまま窓から放り投げられ、意識が飛んだ。

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うさぎもち - この小説めっちゃ面白いです。更新、楽しみにしてます!!! (8月6日 15時) (レス) id: 6ed501a3ba (このIDを非表示/違反報告)
- 面白かったです!これからも更新頑張ってください!(≧∇≦) (2019年11月29日 18時) (レス) id: f2a5c7d6f6 (このIDを非表示/違反報告)
あとら - めっちゃ好きです。一気に読んでしまいました!更新楽しみに待ってます!頑張ってください! (2019年10月24日 22時) (レス) id: f15d6ec153 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とっても面白いです!続き楽しみにしてます! (2019年10月24日 19時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鏡花@狐さん | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年10月9日 12時

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