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捌話 呼吸 ページ23

カナヲちゃんに動作を一通り確認してもらってから、一呼吸置いた。

『…よし、お願いします!』

トントントンとカナヲちゃんが持ち上げようとする湯のみを冷静に押さえて行く。
勿論、私も湯のみを持ち上げようとするが、押さえられる。
なんだろう、これ、確かに早いけど、普通に追い付ける。
この前の柱合会議の時の刀を避けた時よりも動作がとても遅く見える。
それに、カナヲちゃん、割と単純な動きしかしてない。
これ次、左、右、押さえられて、右、右、次左。
左側に掴まれた湯のみを押さえて、右手で湯のみをつかもうと言う動作をすると、それを押さえようと、カナヲちゃんが左手で押さえかかる。
その掴もうとした湯のみを掴まず、その手前に置かれていた湯のみを掴んでカナヲちゃんの頭にトンと置いた。

『お』
「……え」

一瞬シンとする訓練所。
まさか勝てるとは思わなかったので、ポカンとする私と、呆然とするカナヲちゃん。

「ええぇえぇぇぇ?!!」
「嘘!!一回で?!!なんで?!!?」

後ろで騒ぐ炭治郎と善逸君の声が聞こえてきて我に返る。
頭に置いた湯のみを持ち上げて、カナヲちゃんに話しかける。

『…えと、かかってない?濡れてない?』
「どうして?」
『え?』
「どうして、…分かったの?」

ちょっと驚いた顔をするカナヲちゃん。
きっと先読みの事だろう。
カナヲちゃんが持ち上げようとする湯のみを持った瞬間に押さえていたから、それの事を言ってるんだろう。

『えぇと、確かに炭治郎の言う通りすごく速かったんだけど、動きが単純だったから、反射と言うより、先読みかな…』
「先読み…」

納得したような、していないような。
そんな声色をしている。
そのあと全身訓練もさせてもらったが、こちらは勢いがあり過ぎて逆に壁に激突したり、滑って転んだり、どうしても力の調整をする必要があった。
そこで炭治郎が「しのぶさんに呼吸を教わったらどうだ?」と言っていたので、ダメもとで頼んでみる。
訓練所に様子を見に来たしのぶさんの近くに立って話しかける。
ちなみに今は炭治郎がカナヲちゃんと鬼ごっこをしている。ファイト、常中してないから追いつけなきだろうけど。

『あの、しのぶさん、』
「はい、なんですか?」
『その、嫌ならいやで構わないんですけど、私に呼吸を教えて欲しくて』
「いいですよ?」
『そうですよね!だめで……え?今なんて』
「教えますよ、呼吸、ダメなわけないじゃないですか」

そう言ってしのぶさんが笑った。

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うさぎもち - この小説めっちゃ面白いです。更新、楽しみにしてます!!! (8月6日 15時) (レス) id: 6ed501a3ba (このIDを非表示/違反報告)
- 面白かったです!これからも更新頑張ってください!(≧∇≦) (2019年11月29日 18時) (レス) id: f2a5c7d6f6 (このIDを非表示/違反報告)
あとら - めっちゃ好きです。一気に読んでしまいました!更新楽しみに待ってます!頑張ってください! (2019年10月24日 22時) (レス) id: f15d6ec153 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とっても面白いです!続き楽しみにしてます! (2019年10月24日 19時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鏡花@狐さん | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年10月9日 12時

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