鳥居をくぐったその先にブラック本丸あるとか聞いてない 弐 【刀剣乱舞】

染十弐話 泣くのは後 ページ31

『おい、凛』
凛「？どうかしたの？」
『俺が狙われてるなら、俺がここを出ていけばコイツらは傷つかないのか？』
小夜「な、何言ってるの……？」
『そうだろう？俺が狙われてるなら俺だけが他のところにいれば君らは安全だろ？』
加州「…あ……主の………馬鹿っ！！」
『か、かしゅ…へァッ？！』

目にいっぱい涙を貯めた加州が飛び付いてきた。
そして大泣きする。

加州「うぅっ…うぁああぁぁああぁ」
五「……うぅっ…もっと頼ってくださいよおおおおおお！！」

ちょっ？！五虎退？！
つられて泣くのやめよう？！
え、え、え？！
なんで泣いてるのこの子達？！

『……あ、え、…ご、五虎退、加州、お、落ち着いて？ね？だ、大丈夫だから、ね？ほ、ほら泣いたら目腫れるよ？お、落ち着こう？！』
凛「君が落ち着きなさい」
『うえぇ…？！なんで泣いてるの？ええっと、ど、どうすればいいの？！』
凛「そうだね、何でもっと頼ってくれないのかって思ってるんじゃないかな？ここにいる全員」
『……えっ？』
三「そこの人間の言う通りだぞ主や。一人で頑張らなくても良いのだぞ？」

いや、でも……。
頼る……か。

『…分かった、その時は頼らせてもらうよ。えっと、だから泣くな加州、五虎退』
加州「ほんとに……？主、いなくならない？」
『あー、大丈夫だ。そいつ殴るまではしぶとく生きてやるつもりだからな。黙っていなくなるなんて寂しいことするかよ』
凛「うーん……感動の話の途中悪いんだけど、そろそろ新しい本丸に行ったほうがいいよ？あいつら追い討ちかけて来てるみたいだから。あ、一度政府に行ってからゲートはに向かってね。新しい本丸のゲートはこの子が連れて行ってくるから」

神主はそう言うとポケットから式神用の紙を出す。
ポンッと言う音がして出てきたのは小さな青い火を纏った猫。

『あ、莎草(ささめ)。久しぶりだな』
莎「！若殿！！お久しぶりにございます！！」

相変わらず見てくれに似合わない喋り方と低い声。
可愛らしい見た目に対して、これは本当に詐欺レベルだと思う。

凛「待とう、莎草。主より先に空君に挨拶するの？僕泣くよ？ねぇ泣くよ？」
莎「そんな事を言われるなら主殿も若殿を見習われてはいかがですかな？」
凛「相変わらずの辛口！！いいよ、取り敢えずあそこに案内してあげて」
莎「御意」

長谷部のように綺麗に頭を下げる。
……これで猫の姿とかホントに詐欺だ( ˙-˙ )←

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