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9話 ページ32

血溜まりの中に沈む一人の男性。
その背中には包丁が刺さっており、後ろから襲われたのだと容易に想像出来る。
その死体の周りには書庫がちらばっており、死体の左手の下には、牡丹の花のページが開かれた図鑑が落ちている。
血を引き摺ったあとも特に見受けられないので、きっと刺されて致命傷を負い、ここで出血多量で亡くなったのだろうと、乱歩さんが小声で呟く。

部屋の中は書斎のようだった。
四方の壁一面に天井から床ギリギリまで本棚に本が詰め込まれており、揺れる椅子と小さなテーブルが置いてあるのみだ。
そのテーブルには飲みかけの紅茶が置いてあり、椅子の上には栞が挟まれた読み掛けの書庫が置いてある。

そうしてまじまじと部屋を眺めていると、突然首根っこを掴まれた。

『おわっ』
?「おい!勝手に殺人現場を歩き回るな!!」
乱「えぇ〜?呼んどいてそれは酷いよ箕浦さん」

箕浦って、あの警察官の箕浦さん?!
首だけ後ろを振り返ると、確かに箕浦さんが私の服を掴んで乱歩さんに向かって怒鳴っている。
いやまぁ確かにズカズカ入り込んだ私たちも悪かったけど……なんで私だけ掴まれてるの。

そのまま廊下に追い出されて、ため息を付かれる。

箕「はぁ……全く、現場の状況は見たな?」
乱「一応ね!あぁ、でも、少し確認したいことはまだあるかな、あと被害者と容疑者候補の確認」

箕浦さんが案内しながら、被害者の情報をくれた。
被害者の名前は風間 祐一、年齢は42歳。
この豪邸の主人で、仕事は医療関係の道具を作る会社の社長さんだそうだ。
子どもは二人で、小学生と中学生の姉妹が居るそう。
次に容疑者。
奥さんの澄子さんに、使用人の酒井さん、梅沢さん、床元さんの四人らしい。
第一発見者は使用人の酒井さんで、頼まれた団子(おやつ)を持って部屋に入ると、既に亡くなっていたそうだ。

敦「それで、その人達は今何処に…」
箕「今はリビングで全員集まってもらっている。話を聞きたいのなら手早く済ませろ、特に奥さんは女が相手だといいかもしれないな、憔悴してしまっている」

そう言いながらチラリと私の方を見る。
成程、聞けと。

『乱歩さん、私が全員のお話聞いてもいいです?多少なりとも、警戒を解いてくれると思うので』
乱「いいよぉ、僕らも後ろで聞いてるけどね」

乱歩さんが居るのは心強い、何よりも何かあった時に敦くんがいるのがもっと心強い。

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暁郗 - マフィン……仕様ですよね?? (2021年1月5日 11時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
伊織 - めっちゃ好みです〜!続き楽しみにしてます! (2020年10月10日 14時) (レス) id: b284cf17d4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 好きです〜〜〜!!応援しています!!頑張ってください! (2019年9月19日 11時) (レス) id: a6030a90d7 (このIDを非表示/違反報告)
のら(プロフ) - 面白いです!好きです!どうか続き更新のご慈悲を…!! (2019年8月5日 1時) (レス) id: e0e3857385 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - おもしろい!!!!応援しています!!!! (2019年7月25日 1時) (レス) id: e69c1b6ddb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鏡花@狐さん | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年6月8日 20時

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