真夏の恋は太陽に【桐嶋郁弥】 (ページ5)

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今日は、卯月の代わりに掃除当番をすることになった。

「ごめんね、A
どうしても、今日の部活でなくちゃいけなくて。」

「大丈夫だって！まかせて」

ー放課後

「うわぁ、こういう日に限って、
ゴミ箱が満タンだ。」

ゴミ箱の中身が満タンになれば、
教室から遠い、ごみ捨て場に持っていかなくちゃいけないのだ。

、

、

、

、

「あっつ。」

外に出たら、セミの鳴き声がうるさいほど聞こえてきて、耳を塞ぎたくなった。

長いポニーテールを揺らしながら、ごみ捨て場まで走った。

ごみ捨て場の近くへ行くと、水の音が聞こえて、何かなって思ったら、

プールがあった。

ごみ捨て場にゴミを捨ててから、

少し覗いて見た。

すると
みんなが見ている中、ひとり泳いでる男子がいた。

、

、

、

、

速い、

綺麗。

その人がプールから上がった瞬間

心臓がﾄﾞｸﾝｯと跳ねた。

(桐嶋くんだ。)

そう、桐嶋郁弥だったのだ。

水泳のことはあまりわからないけど、

しなやかで、綺麗で、動きが丁寧で速い。

フェンスに捕まってずっと見てたら、

隣の席の男子に気づかれた。

「おっ、岸波ぁー！
何やってんの？もしかして……」

「何でもないよ！
ごみ捨てに来ただけ！じゃあね！部活頑張って！」

私は、その場から走り去った。

(やばい、バレたかな？
あいつ、声でかいんだよー)

「もうっ」

走りすぎたせいか、
尋常じゃないほど汗が出てきて。

(あぁ、夏だな)

と、思った。