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「おはよー! レトくん!」
次の日から、Aによく話しかけられる様になった。今日はそばにキヨくんはいない。笑顔で駆け寄ってくるAに、俺は素っ気なく返した。
「あのさ、迷惑。俺は騙してたんだから、どっか行ってくれない?」
「やだ! 絶対レトくんから離れないもんね。あ、レトくんが私に本気になったら離れてあげるかも?」
「絶対ないから」
普段、俺が毒を吐くことはあまりないだろう。しかし、Aには関わって欲しくないので毒を吐く。と言っても、ただ嫌いだから、という理由ではない。Aを傷付けてしまうかもしれない、という恐怖から関わりたくないのである。
もちろん、Aとは関わりたい。しかし、Aを傷付かせ泣かせてしまえばきっとキヨくんに怒られるし、俺はもう、Aのあんな顔を見たくないのだ。
何故そう思ったのかはわからない。あの悲しそうな顔、どうしても見ていられなかったのだ。直視できなかったのだ。
「ええー、まだ分かんないよ? それに、絶対恋に落ちない、なんて証拠はないからね」
「うぐっ。で、でも絶対落ちないから。Aが努力しても、無駄なんじゃない?」
「それはレトくんじゃなくて、私が決めることだもん!」
Aはそう言って、いつもと変わらない笑顔を向けた。
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松木(プロフ) - zzzさん» 楽しく読ませて頂いているなんて! とっても嬉しいです(≧∇≦) これからも、無理のない程度に更新頑張ります!! (2018年4月11日 22時) (レス) id: 06a9187ae1 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - はじめまして。とても先が気になる作品で楽しく読ませて頂いています!無理の無い程度に更新頑張って下さい…! (2018年4月11日 21時) (レス) id: fc62d48464 (このIDを非表示/違反報告)
松木(プロフ) - みかんぷらねっとさん» ま、まぁ夢主ちゃんだけに恋愛に夢見てるんですよ((← (2018年4月7日 11時) (レス) id: 06a9187ae1 (このIDを非表示/違反報告)
みかんぷらねっと(プロフ) - 気付け、夢主 (2018年4月7日 0時) (レス) id: efdc29cd63 (このIDを非表示/違反報告)
松木(プロフ) - 鳩ポッポさん» コメント有難うございます!!入り込みやすいだなんて、めっちゃ嬉しいです!これからも頑張ります! (2018年4月3日 22時) (レス) id: 06a9187ae1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:松木 | 作成日時:2018年3月30日 14時