【実l況l者】迷子のレトさん、見つけました。【rtrt】 (ページ44)

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「……え、」

画面を見ると、非通知設定と表示されていた。誰だろう、そう思って電話を取る。すると、スマホからは聞き慣れた声がした。

「……もしもし」
『え、キヨくん！？な、なんで、』

そう。

レトルトが、電話をかけてきたのだ。キヨの心臓が、ドクン、と音を立てる。

『まさか……一緒に、いてたん？』
「まぁ、そうだけど」
『そう、なんや……』

キヨは、寂しい、そんな感じの声を出すレトルトで、レトルトがなんのために千世に電話を掛けたのか、分かってしまった。
しかし、今頃もう遅い。

「……遅いよ、レトさん？」
『え？』
「……じゃあ」

そう言って、キヨは電話を切った。

その口角が上がっているのを、自分でも感じながら。

＊

＊

次の日。
千世が目を覚ますと、見慣れない部屋に寝転んでいた。頭が痛い、一体どうしたんだろうと昨日の記憶を思い出す。

ああ、昨日は確かキヨに慰めてもらったんだ、と思い出した。その後、確かお酒を飲んで……、それからの記憶がない。

まさか、寝てしまったのだろうか。寝顔を見られたことの恥ずかしさと、ここまで運んできてくれたことの嬉しさで頭がごっちゃになる。