【実l況l者】迷子のレトさん、見つけました。【rtrt】 (ページ41)

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「結局、ここまで来てるんじゃないですか」

そう言って、千世はバーの扉を開ける。それから席に座り、メニューを見た。千世がメニューを選び終わったので、ふとキヨの方を見る。

しかし、キヨは考え込む様な仕草をしてメニューを見ようともしていなかった。千世に、疑問が浮かぶ。

「キヨ、さん？選びましょ？」
「っあ？そうだな、悪い」

千世に名前を呼ばれ、ハッとしたキヨはメニューを選び始める。一体どうしたんだろう、キヨもキヨで悩んでいるのだろうか、と考えた。

お酒が運ばれて来て、早速飲み始める。久し振りに飲むお酒は、とても美味しかった。なのでたくさん飲んでしまう。

キヨも、先ほどの悩んでいる様な気配は消して、ゴクゴクとお酒を飲んでいた。

「あ、私の方が飲んでますね」
「は？俺はこれからなんだよ」
「どうだか、私だってこれからですよ？」

そう言ってゴクゴクと飲む千世。しかし、久しぶりに飲むお酒の美味しさに気を取られ、考えもしていなかった。

自分は、お酒癖が悪いという事を。酒癖が悪いから、あまり飲まなかったのだという事を。