【実l況l者】迷子のレトさん、見つけました。【rtrt】 (ページ33)

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「あ、別にお前が心配で来たわけじゃねぇから」
「……」
「え、何？本当に勘違いしてたとか？」

先程まで浮かれていた自分が恥ずかしい。そう思うぐらいに、キヨはAににやりと笑みを浮かべている。
Aは、『し、してないに決まってるじゃないですか』と下を向いて言った。あぁ、よりによって警戒されているキヨに言われてしまうなんて。

「本当？」
「ほ、本当に決まってます！ ……私、飲み物入れて来ますから」

キヨの笑みを直視出来ず、そのまま立ち上がる。このまま一緒にいれば自分が恥ずかしくなるだけだ、そう思ったAは飲み物を口実にその場を去った。
何が好きかなー、と並んでいる飲み物を見つめる。

「キヨさんって、何が好きだったっけ……」

そう呟いて、ハッと思い出す。
キヨは、確か綾鷹が好きだった筈だ。それを思い出したAは綾鷹を取り出し、キヨの元へ向かう。

「おー、ありがと。……ん、綾鷹だ」
「好き、でした、よね……？」
「うん、当たり。知ってたんだな」

キヨはそう呟いて、Aの持って来た綾鷹を少し見つめる。何だか変な気持ちになったが、キヨはすぐに綾鷹を飲み始めた。