【実l況l者】迷子のレトさん、見つけました。【rtrt】 (ページ32)

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《レトさんが風邪なら、行く》

レトルトがスヤスヤと眠っている昼頃、インターホンが鳴る。そこには、キヨが立っていた。下を向いていて、顔は伺えない。
Aはキヨにレトルトが風邪だ、ということを伝えた。すると、キヨは何故か面倒を見る、と言い出したのだ。

「邪魔する。……レトさん、大丈夫か？」
「んぅ、キヨくんやんな……」

レトルトは、大丈夫、とも大丈夫じゃない、とも言わずにキヨである事を確認してそのままもう一度眠ってしまった。

「……そう言えば、何でキヨさんは、面倒見るって言ってくれたんですか？」

決して、自惚れしているわけではない。
しかし、ただAはレトルトが風邪になったと言っただけだ、面倒を見ろとは言っていない。なのに、何故急に面倒を見ると言って来たのだろうか。それが気になって仕方がなかった。

「い、いや。別に大した理由じゃねぇよ」
「えー。なら教えて欲しいです！」
「絶対無理。それに、言ったら馬鹿にするだろ」
「しませんからっ！」

馬鹿にしない、そう言ってもキヨは聞いてくれなかった。そんな事を言われたら、さらに自惚れしてしまう。––––自分の事を心配して、来てくれたのだと。