【実l況l者】迷子のレトさん、見つけました。【rtrt】 (ページ30)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:71,202 hit

2. ページ30

.

それから、数日後。
いつもの様に、レトルトよりも早く起きて朝ごはんを作る。レトルトは、相変わらずまだ眠っていた。動画を撮る事も無くなり、暇になったのか朝起きるのはいつも遅い。

「レトさん？ご飯、出来ましたよ？」

Aが優しくレトルトを起こすと、レトルトは『んぁ……』と小さく声を上げた。その声は、いつもよりも鼻声だったし、少し辛そうだった。どうしたものか、とAは問い掛ける。

「レト、さん？どうしたんですか」
「Aちゃ、」

やっと起き上がった、そう思ったらそのままAの方に抱き付いてきた。いきなりの事で、心臓が音を立てる。何故いきなり抱き付いてきたんだろう、そう考えたのも束の間。
レトルトの体温が、かなり熱く感じられた。もしかして熱だろうか、そう予想したAは体温計を持ってくる。

「レトさん、ジッとしてて下さいね？」

そう言ってから、体温計を取り出し体温を見る。やはり熱だった様だ。それに、かなり数値が高い。レトルトが抱きつくのも、分かる気がする。

「んぅ、Aちゃん？朝ごはんは？」
「待ってて、今からお粥作ってくるから」

そう言ってキッチンに向かう。レトルトは、冷えピタを貼ってそのまま寝かせておいた。軽くお粥を作り、レトルトの元へ運ぶ。レトルトの顔は心なしか、段々赤くなっている様に見える。

.