【実l況l者】迷子のレトさん、見つけました。【rtrt】 (ページ11)

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第3章「キヨ」ページ11

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あれから、数日後。Aはキヨに会いに行くため、待ち合わせ場所へと移動する。レトルトにはもう伝えておいた。

「……まだ、かな？」

そう呟くと、「悪い、遅れた」とだけ、後ろで呟かれた。ひっ、とビックリして後退りする。しかしAは、目の前の姿を見てホッとする。

「……ごめん、なさい。ビックリしちゃって」
「別に、気にしてねぇよ。それより、レトさんは？連れて来てないみたいだけど、平気なの？」
「はい。特に異常は……、ありますが」
「あるのかよ」

Aの言葉に、キヨがため息をつく。
異常、風邪などはなっていないが、幼児化したという異常な事態が発生した。

「その、私……レトさんが幼児化した姿を、見つけて。レトさん、倒れていたみたいだから……私が運んだんです」
「ふぅん」
「私、レトさんのファンなんです。レトさんの動画を見たら、休止するっていう風に書いてて。そしたら、キヨさんから電話が掛かってきて、分かったっていう訳です」

そう説明すると、キヨは「信じられねー話だな」とだけ呟いた。確かにそうだ、幼児化するなんてあり得ない。幼児化する薬も、もちろん現在売っていないのだ。

「信じられないですよね、」
「けど、俺は信じるよ」

しかし、キヨはそう言って、初めてAに笑顔を見せた。