Bell 16 ページ16
あなたside
｢……きろ………起きろって………優美〜!!｣
優美｢ん………大我？｣
名前を呼ばれ、目を開けば目の前には大我の顔。
恥ずかしくなって、すぐに顔を逸らした。
まったく……私の気も知らないで……
大我は天然だ。
もちろん、恋に関しても。
自分に好意を寄せている相手でも平然としている。
そんなことしたら、人気は上がっていくばかりなのに。
好き、なんて言っても、気づかない。
自分が注目を集めていることも……
言えば、それは北斗たちでしょ、なんて言うんだもん。
ほんとに、呆れるくらいの天然ぶり。
だけど、そんなところも大好き。
たま〜に、本心が分からなくなるときも……
一見、近寄りがたくて……
不器用な優しさも………
全てが愛おしい。
大我｢優美……？｣
優美｢あ、何？｣
大我｢もう、着いたんだけど。｣
優美｢え……ここ？…………ここって……｣
着いた場所は、大我の引っ越し前の場所。
大我｢そ、俺が今のところに来る前の場所。｣
優美｢なんで………｣
それにここは………
大我｢俺たちが、初めて会った場所でもある。｣
優美｢なんで………ここに？｣
大我｢ちょっと……行きたい所があってさ………｣
優美｢どこ……？｣
大我｢とりあえず、着いてきて。｣
私は、大我に手を引かれ歩き出した。
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作者名：のん | 作成日時：2016年12月6日 0時
